白い巨塔

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TVD 土曜劇場 白い巨塔


放映:CX 1978/06/03 〜 1979/01/06(全31話)
監督:小林俊一
音楽:渡辺岳夫
原作:山崎豊子「白い巨塔」「続白い巨塔」
製作:フジテレビ

内容:大学病院を舞台にした「野望&ヒューマンドラマ」です。ただし主役の田宮二郎は野望専門で、ヒューマンするのは山本学ら脇役陣です。田宮二郎は自殺して、その直後に放送された最終回の劇中でも病死しました。とても衝撃的でした。


たそがれの都会(まち)

作詞:伊井田朗
作曲:渡辺岳夫
編曲:福井崚
歌:田宮二郎
DR-6249


 このドラマの挿入歌だから、「非情のライセンス〜昭和ブルース」のような重〜い曲を想像していたが、曲調は以外にもさわやか。曲全体の流れは「機動戦士ガンダム〜永遠にアムロ」や「緊急指令10−4・10−10/電波特捜隊」に良く似ている。

 田宮二郎の歌はおせじにもうまいとはいえない。なべたけ独特の美しいメロディーラインにのせてつぶやくように歌っており、このギャップがくらくらする。彼の声質からいうとやっぱり「昭和ブルース」的なものの方が似合うと思う。
顧問 neapolio 1997/08/05 HOMEPAGE


白い巨塔メイン・テーマ

作曲:渡辺岳夫
編曲:渡辺兵夫
DR-6249,KIVE-39


 番組冒頭のファンファーレおよび「財前教授の〜」がなく、いきなりテーマ曲から始まるのでちょっと物足りない。しかし、なべたけの最高傑作の1つであるこの曲をステレオ音声で聴けるという喜びにはかえ難い。
 曲はTVで使用されたそのままであるが、冒頭のアレンジを少しだけ変えたバージョンをもう1回収録している。だからTVサイズのテーマ曲が2つはいっていると思えばよろしい。この2バージョンは、それぞれTVシリーズOPで使用されました。

 このメイン・テーマは「たそがれの都会」のB面に収録されています。編曲者が「渡辺兵夫」と記述されています。ミスプリか?。それとも兵夫というもう一人の渡辺が存在するのか?。
neapolioさん 1997/08/05 HOMEPAGE


パート小節コード
少し怪しい
キー
かなり怪しい
テーマ1回目1,2CM7Cメジャー
3,4FM7
5,6B♭M7Fメジャー
7,8Am7
9,10E♭M7B♭メジャー
11,12Dm7
13,14Cm7
15,16FM7、Em7、Dm7Cメジャー
テーマ2回目1,2CM7Cメジャー
3,4FM7
5,6B♭M7Fメジャー
7,8Am7
9,10E♭M7B♭メジャー
11,12Dm7
13,14Cm7
コーダ1〜4B♭M7、Am7
B♭M7、Am7
Fメジャー
5〜Gm7
ラストFM7
 テーマの1,3,5,9小節目が「C、F、B♭、E♭」という循環進行になっています。だから「キーが何々」などとこだわることはないかもしれません。しかし5〜12小節が伝統の「IVM7→IIIm7」に聞こえてしまうので、「5〜8小節はFメジャー」などと解釈して上記の表を作ってみました。
 3,4小節目のFM7は元の調CメジャーのIVであり、新調Fメジャーから見ればIです。このFM7は最初はIV的に聞こえても、のばしているうちにIの雰囲気になって、5小節目のB♭M7に向けて「IM7→IVM7」のように進行します。いかにも「展開するぜ!」と感じます。
 15小節目に向かっても「Cm7→FM7」という4度進行です。しかしキーはB♭からCへ、全音上がって元のCにもどります。
 コーダに向かっての転調は、これまでと逆パターンです。コーダ先頭のB♭M7は、これもIVM7という解釈です。ここでは反対に、いかにも「終わるぜ!」という雰囲気だから不思議です。




EP DR-6249「たそがれの都会」(廃盤)

VTR KIVE-39「渡辺岳夫の世界」




サントラ発売を熱望!

 「白い巨塔」の音楽たるや、渡辺音楽の最高峰と言っても過言ではない。どのように最高なのか例をあげて説明しちゃおう。

 「機動戦士元祖ガンダム」のTVオリジナルサントラ第1集と第2集をお持ちの方は、各アルバムの収録BGMそれぞれ最後の3曲ずつほどが、実に独特の雰囲気を持ってることにお気づきでしょう。「白い巨塔」は全編アノ世界だと思ってください。美しいシンセストリングスとフルートが印象的でした。シンセ以外にも本物のストリングスを中心としたオーケストラなど、予算的に豪華なサウンドだったように思います。それでいて、昨今のオケぶぁんぶぁんの嫌味なTV劇伴とは違う。エレクトリック楽器とパーカッションを効果的に用いるあたり、ケレンみが無い。

 大人むけのドラマですが、「非情のライセンス」や「子連れ狼」ほどドロドロもしていない。このサントラ盤を発売したら日本中でバカ売れ・・するわけないけど、発売してくれんかな。よろしくお願いします。「たそがれの都会」は名曲なので、上手な歌手による新録音も聴きたいです。




願望サウンドトラック 白い巨塔


 TV放送されたサウンドを徹底解析、ストーリーもからめて詳細解説を試みた。もちろんこのようなサントラ盤は存在しない。「是非聴きたい」という方は、ワタクシの同志です。可能性のありそうなメーカーにお願いしてみよう。ワタクシにも是非おたよりください。
 登場人物名の漢字は誤っているものもあるかと思われます。配役も一部抜けています。おわかりの方は教えてください。


ストーリーダイジェスト

財前は、汚い選挙で教授になる
財前は、佐々木庸平をいいかげんに診断して死なせる
財前は、佐々木庸平の遺族に訴えられる
里見は、財前に不利な証言をして島流しにされる
財前は、一審勝訴する
佐々木庸平の遺族は苦しむ
柳原医師らが良心に目覚めて、財前に不利な証言をする
財前は、二審敗訴する
佐々木庸平の遺族は喜ぶ
財前は、ガンになる
財前は、後悔する
財前は、死ぬ


イントロ〜オープニング〜メインテーマ

イントロダクション
 番組冒頭では、前回までのあらすじを紹介する。シンセ口笛のテーマは白玉中心でリズム的に緩やかだ。しかし音程には渡辺的抑揚があるので、視聴者を知らぬ間に毎週一時間のドラマ世界にひきもどす。上品なエフェクトがかかったエレキギターのバックは、家弓家正のナレーションとあいまって渋い味をかもしだしている。

オープニング
 「じゅわぁん♪」のシンセが、ガラスに反射する太陽光に似合う。巨塔のイメージは、ホルンとティンパニである。映像が先に撮影されたかのようにも思われる。

メインテーマ
 「東教授の総回診が始まります」と院内放送される。そしてメインテーマ。EP DR-6249のB面後半には、4小節のイントロ付きヴァージョンが収録されている。アルバムのトップには、このヴァージョンを配してみよう。


テーマ・アレンジ I

 サントラ盤の発売を前提にしておらず、週一回の放送である。このため、当時のドラマは現代のそれと比較してテーマアレンジの劇伴が多いようだ。同じテーマをいくつも並べ立てては食傷するといけないので、とりあえず3曲ほど紹介しよう。

財前(田宮二郎)は教授選で優位に立つため、大河内教授へのとりなしを里見(山本学)に依頼する。ここで演奏される静かでやさしいフルートは、装飾音が効いている。後半はストリングスが展開、だけどバックはエレピ音色というあたりがしなやかなのだ。

野望への決意を新たにする時、苦しい時、つらい時、演出効果を考えてか財前は河口をおとずれる。工場の煙突(?)で燃える炎を見つめ、「勝ってみせる」とつぶやくのだ。オリジナルアレンジよりもリズムを強調したダイナミックな演奏は、しばしば「つづく」へ陽転する。

教授選を前に、財前は東教授と決定的に対立する。この場面ではテンポが急に早くなって、その回はズバっと終わる。


財前、野望のテーマ

 「CM7、Dm7、Em7、FM7」というパターン(ダイアトニック並進行)は頻用され、ドラマ全体を支えている。メロディーは「B〜BC〜CD〜♪(以下同様に上がる)」を基本にしていたが、様々に変奏される。便宜上、これを財前のテーマとした。
 実に様々なアレンジがあるが、とりわけ印象的なものは、通常の白玉メロディー音符の前(の小節の最後)に16分音符が4個ついたり2個ついたりして決然とした印象を与えるパターンだ。この16分音符抜きのメロを何度も聴いて、その後で16分付きを聴くとカッコよさが際だつのです。
 「機動戦士ガンダム/MOBILE SUIT GUNDAM・II」に収録の「ぬくもり」と「ふりむくな」などで、雰囲気を味わうことができる。


里見、人間愛のテーマ

財前以外の主な人物には、それぞれテーマを配してあるようだ。「白い巨塔」の良心・里見のテーマとおぼしき曲は、佐枝子の愛のテーマとも解釈できる。作曲家や演出家の意図を取材したいものだ。弦楽器(ヴィオラ?)のソロ〜アコピのバックが加わり〜豊かなストリングスへ続く。映画音楽的な曲である。後半の雰囲気は「あらいぐまラスカル/BGM COLLECTION III」に似ている。

里見は佐々木庸平に手術を受けるように説得する。ヒューマニズムを盛り上げるのは、やはりストリングスである。里見のための音楽は、おおむねストリングスを軸に展開するのだ。

近畿ガンセンターでの巡回診療場面で使用された曲は、美しくもさわやかで山間の風景によく似合う。里見が大学病院を追われて「それから一年四ヶ月」と毛筆調のスーパー〜問診の場面へと続く。

早期ガンの手術をしたおばあちゃんを訪問する里見。後半のオーボエが明るく響きつつも感動を呼び、涙無くして見ることはできない名場面なのだ。同行する青年医師・谷山の演技はややクサいけれど、山本学と比べては可哀想です。


テーマ・アレンジ II

サントラ盤の作り手は、「テーマ・アレンジばかり何曲も収録して、飽きられないか」と心配するかもしれない。この問題はケース・バイ・ケースだろう。テーマ曲と劇伴を同じ人物が作曲し、しかもアレンジが魅力的な場合は、たくさん収録しても全く問題はないと考える。ただし、10曲も並べては嫌になるといけないので、分散配置してみてはどうだろう。

「ゴロちゃんの責任は」とケイ子が凄む場面は、ブリッジ〜苦悩するシンセ〜深い響きを持ったストリングスのテーマアレンジという豪華組曲になっている。


佐枝子、悲恋のテーマ

東教授の娘・佐枝子(島田陽子)は、好漢里見に横恋慕する。しかし、妻子もちで真面目な里見への愛は、もとより実るはずもない。佐枝子は別の医師と結婚し、ネパールへ旅立つ。佐枝子の悲恋には明確なメロディーが与えられた。

里見の妻に喫茶店で問いつめられる場面では、ハプシコード音色から始まるヴァージョンである。バックはヴィブラフォンとフルートという、古くからのパターン。そして悲恋を奏でるにふさわしいヴァイオリン〜ラストに加わるフルートの「BCDEDCB〜♪」は、「アタックNo.1」('69年)で聞き覚えがあります。


柳原、苦悩のテーマ

 柳原医師は助手という弱い立場故、財前に有利な証言を強要される。彼の苦悩にも曲がついている。あるいはベースで、フルートのソロで、シンセのソロで演奏される。


ケイ子

財前の愛人・ケイ子(太地喜和子)はフルートで演出されることが多い。渡辺音楽で演奏されるフルートは、音色といい奏法といいジーンとくるのだ。ケイ子は財前の母親とも心を通わせる。妻のように、母のように優しい音楽である。

ケイ子の登場場面では、フルートによるテーマアレンジも演奏される。財前とのダイアログは数分間続くので、エレキギター〜またフルート〜シンセ笛と続く組曲風になる。


オープニング〜メインテーマ

オープニング
 なりふり構わぬ選挙工作の結果、財前は後任教授に選出される。当然、院内放送も変更される。「財前教授の総回診が始まります」

メインテーマ
 タイトルバックの映像も変更される。東教授に従っていた財前が、今度は先頭をのしあるく。記者に取り囲まれる場面や法廷場面も登場。EP DR-6249のB面前半をここに配する。


テーマ・アレンジ III

数あるテーマ・アレンジ劇伴の中には、リズム楽器がストリングスとずれているような録音もあったようだ。コンガが加わって盛り上げるヴァージョンもある。

病に倒れた財前が気弱になる場面では、オーボエがやさしい。終わり際に「EFGAGFE〜♪」と付け加える。


医療テーマ

診察
 アルバムの後半は、ストーリーに沿った構成にしよう。里見が佐々木庸平を診察する場面では、エレピとギターによる財前テーマの上行パターンがBGMになっている。「新巨人の星」などでおなじみの「タタッタ〜(ED、C〜)♪」と下がるパターンでキメていた。

告知
 里見は患者の家族にがん告知をする。ショッキングな音楽でも、やはり里見にはストリングスが似合う。

手術
 何度も演奏された手術テーマ。「EFEC〜♪」のエレキギターには上品なエフェクトがかかっており、「キューティーハニー」などで聴かれるじべじべしたサウンドとは大いに異なる。

臨終
 佐々木庸平の臨終場面では「ぴんぴん」という心電音(?)。ストリングスの和音は、消えていく呼吸のようだ。


法廷

証言
 手術場面と同様に法廷場面でも、一定のパターンを続ける音楽が何度も演奏された。やはり「タタッター♪」でキメるのだ。

江川出廷
 財前に島流しにされた江川が出廷する場面。財前テーマ〜ブリッジ〜エンディング。


謀略

財前の教授選を優位にすすめるために、佃と安西は金沢へ乗り込む。ストリングスのリズムとベースのソロが金沢の古風な町並みに似合う。

そして彼らは教授候補の菊川に辞退を迫るのだ。暗く悲痛にチェロ(?)独奏からストリングスへと続く。


亡霊

 佐々木庸平そっくりの患者が現れて、財前びびる。「GF#D」を繰り返すパターンは、「機動戦士ガンダム/戦場で」に収録の「再生のための終焉」で聴かれる。シンセが「ひゅいーん♪」、続く「ざんばら♪」の音はダルシマか。


佐々木夫人

夫に先立たれた佐々木夫人(中村玉緒)には、遠く響くようなオーボエが似合う。後半には浪花節的メロディーがくっつけてある。

一審で敗訴した佐々木母子の生活は窮地に立たされる。病にふせる夫人。くじけぬ息子。オーボエは貧しさをひきたてるのも得意なのだ。エンディングは、やはり浪花節。


ブリッジコレクション

 ブリッジは全体に短めで、場面転換よりも心理描写に多く用いられた。複数のブリッジを連ねるような構成の曲もある。ブリッジを集めたトラックでも、コレクションと名付けるのは不適当かもしれない。


終章

 最終回のために作曲されたとおぼしき劇伴がある。アルバムをストーリー的にしめくくるため、最後にまとめてみよう。

オープニング
 最終回ではメインテーマは演奏されずオープニングのみで、それも特別あつらえだった。画面には「最終回」ではなく「終章」とテロップされた。

判決
 法廷へのブリッジ〜逆転判決のバックは財前テーマ。判決文はろくに聞こえない。歓喜の佐々木陣営と音楽ですべてを語るのだ。

懺悔
 病床の財前と里見の対話場面。テーマ・アレンジフルートのバックにマリンバのロール。エレキギターが小さく「にゃわぁ〜ん♪」と鳴る。

遺言
 家族にみとられて財前は死に、里見が遺言を読む。「医学者としての道をふみはずした」と後悔が綴られる。しかし、気づくのが遅すぎたのだ。最後に演奏されるとっておきのテーマ・アレンジは、胸の奥底を吐露するように響く。


ボーナス・トラック

葬送
 号泣する佃は、財前を心から慕っていたのだ。最終回のラストシーンは、モーツァルトのレクイエムから「涙の日」(ラクリモサ)。最終回でのクラシック使用は、「ウルトラセブン」「デビルマン」などでも効果的だった。しかし当サイトの立場からは、遺憾であるとしておこう。原作ではベートーヴェンの「荘厳ミサ」が、里見の中で沸き上がって来るようであったとのこと。

ドイツの休日
 佐々木庸平の手術直後、財前はドイツに出張する。ドイツの風景を彩るフルート+エレピのリズム〜エレピのテーマという、ボサノバ風だ。
 この他に、喫茶店やバーのBGMがある。これらの音楽は「白い巨塔」劇伴としては異色だが、渡辺岳夫の曲のようにも思われる。詳細を知りたいものである。

たそがれの都会
 EP DR-6249のA面収録の主題歌である。本編では使用されなかった。




映画 白い巨塔


監督:山本薩夫
音楽:池野成
内容:TV版の前半に相当する内容。田宮二郎以外のキャストはTV版と大幅に異なる。白黒画面が重厚で、手術場面も直接的に描写される。見比べると、TV版が映画版の構図をイタダいているようだ。




TVD 白い巨塔


放映:NET 1967/04/0819〜1967/09/30(全26話)
音楽:伊部晴美
製作:東映テレビプロ
内容:佐藤慶、根上淳




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