ジュリクワ

菌糸瓶考察

クワガタの幼虫を効率よく大きく育てたいのなら菌糸瓶飼育しかありません。
菌糸瓶とは何かを解説していきます。

【菌糸瓶とは】
オガ粉に添加物とキノコ菌を入れ培養したもの(一次発菌)
培養したものを一旦崩し、再度添加物を入れ培養したもの(二次発菌)

市販の菌糸瓶は一次発菌の物と二次発菌の物と存在しています。
各メーカーさんの販売サイトに書いてあります。

さて、メーカーさんのサイトを見てみると○○菌使用とか
○○培地(チップ)使用とか書いてあり、どれを使えば良いのか
分からなくなってしまいますよね・・・
私の経験上、特殊な種類(カワラタケ適用種:オウゴンオニ、タランドゥス、レギウスetc...)以外は
どの菌糸瓶を使ってもちゃんと育ちます。
国産オオクワガタであれば交換のタイミングさえ合えば確実に70mmを超えて来ます。
高ければ大きくなる、安ければ大きくならないという概念を振り払って下さい。
現在国産オオクワガタで80mmを超えてくる個体も多くなっていますが、
基本的に生育環境で大きくなるか大きくならないか決まると思います。
菌糸瓶(餌)は大きくする補助道具にしか過ぎません。

ただ、菌糸瓶の持つ本来のポテンシャルを最大に発揮させる事により、
菌糸瓶の占めるウエイトが変わってきます。
例えば、高級スポーツカーを運転初心者が運転をしたら車の性能の一部しか
引出す事はできないでしょう。
同様に軽自動車を車を運転した事がない人が運転しても性能の一部しか
引き出せないと思います。

つまりクワガタをブリードする方の家の環境次第で菌糸瓶の性能も大幅に
変わってしまう事になってしまいます。

では私の所の環境ではどの様な菌糸瓶を使えば効果が最大限に出るの?
菌糸瓶スペックの見分け方を紹介致します。


【スペック】
●使用菌●
様々な菌を使った菌糸瓶が販売されております。
一般的使用されている菌の名称と特徴を紹介致します。
・オオヒラタケ:適応温度(18℃〜30℃)、腐朽が進むとドロドロになりやすい。
・ヒラタケ:適応温度(18℃〜25℃)、腐朽が進むと渇き気味になりやすい。
・カワラタケ:適応温度(15℃〜25℃)雑菌が発生しやすい。

●添加剤●
菌糸を培養する際菌の栄養となるもの。
一般的に添加剤が多いと幼虫は大きくなるが、
死んだり羽化不全に陥る個体が多いと言われています。
逆に少ないと幼虫が成長し難いと言われています。
一般的に使用されている添加剤を紹介致します。
・麦芽:ビタミン・ミネラルを豊富に含む。
・フスマ:たんぱく質
・ビール酵母:麦芽より栄養価が高い
・トレハロース:糖類
・キトサン:植物繊維
その他菌糸瓶によっていろいろ入っていると思いますが、
殆どが企業秘密の為分かりません。

●培地●
使用しているオガ粉の事です。
様々な木のオガ粉が使用されており、木の種類によっても特徴が異なります。
また、オガ粉の荒さも様々あり荒さによっても特徴が異なります。
・オガの栄養:クヌギ>コナラ>ブナ
・オガの分解速さ:ブナ>クヌギ>コナラ>エノキ
・粒子の分解速さ:微粒子>粗粒子
組合せ例:ブナの微粒子→すぐに腐るので交換回数を多くする必要がある(但し消化吸収は良い)
エノキの粗粒子→1本で長い期間引張れる。
など自分の飼育状況に合わせ選択する事が必要です。

●水分●
殆どの菌糸瓶の水分は50%前後になっています。
水分が多い方が蛹室形成に失敗したり、羽化不全に
なったりしますので水分の多すぎる菌糸瓶は避けましょう。


以上の項目を菌糸瓶購入時に自分の飼育環境と照らし合わせ
菌糸瓶の銘柄を決めて下さい。

尚、飼育個体にとって良い環境(年中適温、暗く静かな場所)が確保できる場合は
実績のある菌糸瓶を使用し大型個体作出にチャレンジしてみても良いでしょう。



【菌糸ブロック】
菌糸瓶飼育に慣れてきたら菌糸瓶でなく菌糸ブロックを購入すると
廉価にて手に入りますし、添加剤も自分の好みに調整できます。

菌糸ブロックは一次発菌になっています。

使用方法
@周囲の菌糸皮膜を取り除き手でバラバラにします。
A必要であれば添加剤を加えよく馴染ませます。
Bバラバラになったオガを空の瓶に詰めます。
Cプレス棒やすりこぎなどで体重をかけ圧縮します。
DB〜Cの繰り返しで瓶の肩口までしっかり詰めます。
E真ん中に菌糸が回りやすくする為の穴を開けます。
F菌糸が回る迄冷暗所で保管します(二次発菌)
G白くなったら完成です。


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