以下の文章は、帝國アカデミー編纂の「塔起動実験報告書」を基にしたフィクションです。

「塔」起動実験報告書

 帝國歴89年2の月18日、帝都近海の海底に、微弱な動力反応が探知された。予備調査の結果、これは休眠状態の遺跡のもので、起動時の動力指数は帝國の保有するあらゆる遺跡のそれを凌駕しうると試算された。慣例に基づき、予備調査によって得た情報を皇室伝承と比較したところ、当該遺跡は、旧世紀の禁断兵器「塔」の一つであることが判明。皇帝陛下の勅命により、全ての発掘作業は中断され、塔の再起動に全力が注がれることとなった。塔の休眠状態を破るため、第2機甲連隊の全空中戦艦のエンジンから動力を引き出し、外部刺激として使用した。塔が起動準備段階に移行し、完全に浮上するまでには、12日間の連続稼働を要した。

 塔の引き上げ成功を機に、本格的な調査が開始されたが、起動に必要な要素の解明は困難を極めた。外部刺激実験も引き続き行われたが、浮上以後、明確な反応は確認できなくなっていた。停滞した状況を打破したのは、辺境で入手された、情報保存系の発掘物であった。それに記録されていた情報を分析した結果、塔はドラゴンと密接な関係にあることが判明したのである。

BACK  NEXT