竜の書
 

ドラゴンは、

人のほかに神が創造した

ただひとつのものであり、

争いのけがれを受けなかった

ただひとつのものであり、

神が打ち捨てなかった

ただひとつのものである。

 

原初日の終わり、

神は、人を打ち捨てて世界を去った。

人が互いに争い、

神ののぞみからはずれたためである。

以来、人はさばきを待つ身となり、

死に至る道をよりよく歩むことが

つとめとなった。

 

しかし、万象のなす災いは、

絶え間なく人を殺し続け、

さばき得る道を人に歩ませなかった。

ゆえに、神はドラゴンを創造して、

人の世に放った。

 

ドラゴンは、救いの手であり、

また、さばきの目である。

ドラゴンは、よき人を助けるために、

また、人の争いを断つために、

人の世の上を飛び、その力をふるう。

 

防がれない光の矢と、

貫かれない殻と、

力尽きない翼が、

すなわち、ドラゴンの力である。

人の世のいかなるものも、

ドラゴンの前には無力である。

 

ドラゴンの力を求めるならば、

人よ、神ののぞみにかなうものであれ。

矢は、つねに争いの地に放たれる。

殻は、つねによき人の守りとなる。

翼は、つねによき道の上にはばたく。


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