全てはここから始まった

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1月27日。

今年も中部選手権が開幕する。

昨年は最後にちょこっとだけ走った MFJ のレース。全くついていけないかという予想に反して、何とか予選も通ることが出来た。ギリギリだけど。

今年はコンスタントに予選を通過することを目標にしてここまで練習してきた。その成果が試されるときがついにやってきたのだ。

天気予報は雨。開幕戦が行われる榊原をマディなコンディションで走ったことはない。しかし土質を見れば、マディな相当な修羅場になるのが想像がつく。

しかしそれは皆同じ。普段なら苦手なマディで気が重くなるトコロだか、開幕戦というハイテンションがそれを打ち消してくれているかのようだった。

 

夜中。

会場が遠いこともあって、いつものレースより早い時間から準備に入る。睡眠もバッチリ。体調もよさそうだ。いよいよ開幕戦だ。

外に出てみると相当な雨が降っている。

こりゃマディっていうより、泥の海になってるかもしれないな。

覚悟を決めて荷物をアパートの自宅から駐車場に下ろし始めた。

 

我が家はアパートの5階。普通はエレベーターのひとつもありそうなモンだか、古い建物にはそんなものはついていない。

普段はなんとも思わないが、こういう荷物の多いときはさすがに気になる。何度も往復するのは大変だ。

荷物の量からして、あと2往復くらい。いや、何とか持って下りれない量じゃない。私は残り全ての荷物を抱えて雨に濡れる階段を下り始めた。

バランスを取りながら下りていく階段。さすがに足元は見えやしない。使い慣れた階段とはいえ、一段一段慎重に下りていった。

強風に流されて顔に当たる雨粒。ふと横を見てみる。見えるのは街の明かり。星は見えない。まだまだ雨は止みそうにない。大変なレースになりそうだな。そう思った瞬間。目の前の景色が消えた。

 

 

そういや、妻が妊娠していたときだったけ。階段を踏み外して転んだんだよなぁ。

幸い妻にもお腹の中の長男も無事だったんだけど。

その後も買い物荷物を持った妻が足を捻挫したことがあったっけ。

他にも結構この階段で怪我してる人がいるんだよなぁ。

大体この階段は滑り止めはついてないし、手すりもないし。

その上一段一段の幅も狭いし、何より急なんだよ。

ホント、誰かが大怪我する前に大家さんに言っといたほうがいいんじゃない?

 

 

階段の踊り場にうずくまり、いつか妻と話していた事を思い出していた。







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