予想外

HOME >> 骨折物語 >> 予想外
よろしかったらメールください



しばらくすると、足に痛みが出てきた。痛い。かなり痛い。っていうかものすげぇ痛い。

これくらいの痛さならちょっとテーピングして冷やしておけば何とか走れるかな。なんて甘い考えはすっ飛んでしまうくらいに痛かった。レースに行くより、今この状況からどうやって家に帰るか。それを考えるだけで必死だった。

幸いにも携帯を持っていたので痛みをこらえながら妻に電話をかけた。

 

私 「もしもし。」

妻 「どうした?」

私 「階段で落ちた。」

妻 「大丈夫?」

私 「動けないんだけど。」

妻 「すぐ行くから!」

 

短い言葉のやり取りだったが、私の怪我の状況を感じ取ったらしい。何とか妻の力を借りて、とりあえず家に戻ろう。ここじゃ怪我の状態もよく分からない。

しばらくして妻がやって来た。力なく倒れている私の姿を見て、頭を打ったと思っているようだ。慌てて駆け下りてくる。頭を動かさないように、足に近い方へと。そして慌てて駆け下りたため、バランスを崩した妻の蹴りが私の足にジャストミートした。

 

私 「◎△◆×!?※」

妻 「あっ! ごめん!」

 

妻よ、痛いのは足なんですけど。ここで妻の蹴りを受けるのは予想外だった。しかし、声にならないほど痛いなんて最近では味わったことがない。こりゃどうも相当酷くやってしまったらしい。大丈夫か?私。

妻に抱えられるようにして、何とか自宅まで辿り着いた。明るい部屋で足を見てみる。そこには象の足があった。骨折は何度も経験しているけど、こんなに腫れたっけ? 足も何かぷらんぷらんなような気がする。

ホントにこりゃマズイ。痛みも普通じゃないし。妻に深夜救急外来当直の病院に連絡をとってもらい、車を走らせた。

抱えられながら階段を下りているとき。車に揺られているとき。ちょっとした衝撃が足にひびく。いくら妻が慎重に運転してくれていても、痛いったりゃありゃしない。

必死に痛みをこらえて、やっとの思いで病院まで辿り着くことができた。

あぁ、これで楽になる。

そう思うと、少しずつ気持ちが落ち着いていった。







《《          》》