人として

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入院中も何かと仕事を持ち込まれるような状況でしたんで、退院したら速攻で会社に出撃です。幸いにも怪我したのが左足なんで、AT のハイエースを運転するのは何も問題ありません。たぶん。

問題があるとしたら、駐車場から事務所までの距離ですな。普通に歩いても10分はかかります。コレを松葉杖でえっこらえっこら移動するとなると・・・。ん〜。結構大変そうです。

まぁモノは試しっちゅうコトで、とりあえず駐車場から歩いてみることにしました。

松葉杖を使って、えっこらえっこら。その間道行く人の好奇な視線にさらされ、ちょっぴり恥ずかしいかも。

テレビの大岡越前を見てるとさ、罪人がよく「市中引き回しの上獄門!」なんて言われてるじゃないですか。んで馬の背に乗せられて町を連れ回されてるシーンが出てくるじゃないですか。まさしくあんな感じです。

別に悪いコトしてるワケじゃないのに、なんでこう肩身が狭いんですかね。

なんてコトを考えている余裕があったのは最初の10分。それを過ぎる頃からは松葉杖が脇腹に擦れて痛いし腕は疲れるしで大変です。もしかして私はこれから毎日、こんな思いをして事務所まで行かにゃならんのか?

それより何より、松葉杖で両手がふさがったこの状況で雨でも降ろうモンならどうすりゃいいんだ? ん〜。困ったぞ。

実は事務所の前にはお偉いさん方の駐車場が少しばかりあったりします。んで私の姿を哀れに思った、普段出張の連続でほとんど事務所にいないお偉いさんが、駐車場を貸してくれるという、ありがたいハナシが飛び込んできました。いや〜。ホントにありがたいコトです。

しかしこの駐車場を利用するためには、工場内への車乗り入れ許可証なるものを保安に行って取ってこなけりゃなりません。早速保安に掛け合ってみました。

 

 私 「すいません。車の乗り入れ許可証が欲しいんですけど。」

保安 「あ〜。駐車場空いてないからダメだよ。」

 私 「いや、駐車場は部内で調整済みですから。」

保安 「でもね〜。アンタだけじゃなくて、10人いっぺんに足の骨折った人がいたら駐車場無いでしょ?」

 私 「はぁ? 大体10人もいっぺんに足を骨折するなんて現実的じゃないですよ。それより、この状況で雨が降ったら?って考える方が現実的でしょ。」

保安 「雨ねぇ。雨が降ったら休めばいいじゃん。とにかくダメだよ。」

 

もう何言っても全く聞く耳ナッシングの保安員。アンタはこの状況で30分以上も歩かにゃならんのが大変なのが分かってるのかね? もし雨が降ったら、マンホールや横断歩道の白線がどれだけ滑るか分かっているのかね?

言いたい事はたくさんありましたが、仕方なく元の駐車場から歩くことになりました。ガッデム。

毎朝松葉杖でひ〜こら歩いていると色んな人と出会います。駐車場からの坂道で「大丈夫ですか? 荷物持ちましょうか?」と声をかけてくれた人。事務所の扉をなかなか開けられずに困っていたら、遠くから走ってきて開けてくれた人。時間がかかるのも気にせずに、私が横断歩道を渡るまで待っていたくれたトラックの運ちゃん。

小さな親切に出会うたび、この会社もまだ捨てたもんじゃないなぁなんて思ってしまいます。ホントに嬉しかったです。いや、マジで。

とはいえ、当然あの保安員のようなヤツもいますし、私の松葉杖を蹴っ飛ばしておいて知らん顔のヤツだっています。

会社の外でも色々で、毎晩夜遅くに晩ご飯を買いに行くコンビニでも、レジを済ませりゃ後はお喋りに夢中の店員もいますし、レジを済ませた後、必ず入口のドアを開けてくれるアルバイトもいます。ローソンの鈴木さん、ホントに助かりました。

最近はバリアフリーだのなんだの言われていますが、実際のトコロ、全然フリーなんかじゃないですわ。バリアだらけ。私も自分がこんな状況にならなけりゃ、全く持って気がつかなかったかもしれません。

他人との係わり合いが希薄なこのご時世ですが、やはり
あ、人という字はぁ、人と人が支えあってできているんですぅ、(←武田鉄矢風)
ってコトだと思うワケです。

できることなら、私も困っている人を見かけたなら「何かお手伝いできることはありますか?」と一声かけることができるような人になりたい。そう思います。

ちなみに駐車場ですが、後日私の部署を総括している取締役が保安にクレームつけたら速攻で乗り入れ許可証が発行されましたとさ。しかし保安員よ、そういうアンタの態度は人としてどうかと思うぞ。







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