Koji Kaneda Art-Gallery

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『名倉川』 透明水彩F50号 ワトソン紙 2004/01

2004年・・・今年の描き始めは川でした。
2003年の暮れ、30日まで仕事をしていた私は、31日、1日と家の用事を精力的に片づけ、
何とか2日から自由になれました。
晴れていました。
寒い場所ですが、贅沢は言えません。
描けると言う時間をもらえた・・・その事に感謝し、精一杯の現場描画をしました・・・とは言いながら、
川面を渡る風は冷たかった・・・3時間の奮闘・・・現場では、それが精一杯でした。

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この川は3月ともなるとアマゴが釣れ、また6月には鮎が釣れ…釣り人でにぎわうところです。
かく言う私も、ルア−竿を担いで、よく通った川でもあります。
昔は釣り竿を持って渓に立ち、今は絵筆を持って渓に立ちます。

私は名倉川では珍しいイワナを釣った事があります。

1993年5月14日
その日は、豊田市の北の方にあるお客様の所で仕事をした後、午後2時頃で仕事が終わったでしょうか…
そこから、小一時間も走ったところに名倉川はあります。
いてもたっても、いられない私は(自笑)、名倉川へと走りました。
その日は、良いお天気でした…いつものようにルア−を投げ、釣りを楽しんでいましたが、
釣れてくるのは、リリ−スサイズの小さなアマゴばかり…
「ゴ−ルデンウイ−クで、全部釣られちゃったのかな?」
半ば、あきらめ加減で、それでも、投げられれば楽しいフイッシング…
午後4時頃だったと思います。
急に空に暗雲が立ち込め、辺りは暗くなってきました。
これは夕立が来る…ひょっとしてビッグチャンスになるのでは?
…そういう予感がありました。

しばらく空を見上げていましたが、さらに真っ黒な雲が広がり、辺りは夕闇のような暗さになりました。
今だ…雨が激しく降って来てからは、おそらく、釣りにならなくなります。
反対岸の一番奥…もしかすると、木にひっかりそうな場所へ狙いを定め、ルア−をキャスト!
ゆっくりと、ルア−を引きました…
「!!!?」
何か黒い影が走ったのが見えました。
ガクン!!!、グイグイ…・
ヒットしました…・しかし、あまりの引きの強さに、唖然…
「これはアマゴではない、首も振らないし、なんだろう?」
引きの手応えに、ひざがガクガクし、心臓はドクドクと高鳴りました。
「いかん、きっとジャンプする…」
案の定、ずいぶん遠くで、バシャっと水飛沫を上げて、魚がジャンプしました。
一瞬で、それが何か?わかりました。
「イワナ…」
それもかなり大きいです。
ゴンゴンと竿に手応えが伝わります。
「今のジャンプ…よく(針が)外されなかった…」
二度とジャンプさせない様に、竿を寝かせます。
針がどの程度、かかっているか?…見えませんでした。
「あ〜お願いだ、針よ、はずれないでくれ」
「あわてるな、あわてるな、落ち着け、落ち着け」
そう自分に言い聞かせますが、今まで、何度も、イワナをばらしてきた私…・
今までの嫌な予感がよぎりました。
魚が引くタイミングで、引きを弱めます。
しかし、ドラッグはうなり、ギ〜、ギ〜っと、無気味な音?…しかし、心地よい音?←どっちなんだ!っと言いたくなりますね(爆)
ここは湖ではなく、渓流です、自分から魚に近づいて行く方法があります。
チェスト・ハイ・ウエ−ダー(胸まである長靴)を履いていて良かった(^0^…・備えあれば憂い無しですね。
ある程度の格闘の末、魚の抵抗は弱まりました。
さあ最後の勝負の時が来ました。
間髪を入れず、取り上げる…その時、バレテもそれは仕方無い事です。
グズグズして逃がすより、あきらめは着きます。
今までの経験が、勝負は早くっと教えてくれました。

自分からも近づきながら、リ−ルを巻いて、左手で背中にしょっているランデイング・ネットをつかみ、ぐいっと引き下げ、魚をキャッチする用意をします。
引き寄せながら、近づきながら、ランデイングネットでさっとすくいました…・
岸からあがり、草むらにネットを置いた瞬間、力が抜け、ヘナヘナとその場に座り込む私…
ネットの中では、バタンバタンっとイワナはもんどり打っていました。

見事なイワナでした。
計ってみると、36cmありました。
33.33cmを超えるサイズからそれを『尺イワナ』と呼びます。
釣り仲間にも自慢できるサイズなのです。
あまりに立派な体格、精悍な面構え、キズの無いヒレ…・
写真を撮った後は逃がしてやる事にしました。
「グッバイ、イワナ君、またわが竿に来て、遊んでおくれ…」

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