鮎の友釣り
10年程前は、夏になったら毎日のように川に立ち、夏の間だけで数百匹の鮎を掛けていた。(鮎の友釣りの場合おとりを縄張りをもった鮎の近くに泳がせ、出て行けと体当たりしたところを針にかかりようにする)しかしここ数年というもの体当たりをしてくるような元気のいい鮎がすっかり姿を消し、一緒になかよく泳いでいる鮎ばかりになってしまった。
そして鮎釣りから遠ざかった。
いま多くの川が天然遡上の鮎ではなく、琵琶湖産の鮎、人工増殖の鮎、海産の鮎を川に放流して釣りができるようしている。その鮎たちは配合飼料で育てられた後、川に放流されるものだから、縄張りをもってえさを採ろうという意欲がなくなり、いつもみんなでなかよしこよしなのです。
私の住んでいる額田に男川という川があり、鮎のシーズンになると多く釣り人でにぎわったものでした、いまお客さんはほとんどいません。たまに地元のつり好きの老人が竿を出している程度です。
竿をひったくるような当たりや、かかった魚と一緒に川を下っていかなければ捕れないような魚はどこにいってしまったのでしょう。
鮎釣りが面白かった時代を知っていると、今の状況で竿をだそうという気持ちがわいてきません。毎年毎年今年こそ、昔のようになるのではないかと期待して川を覗くのですが、毎年がっかりです。
全国的に有名な長良川あたりでも似たような状況です。このままいけば鮎釣りを始める若い人がいなくなり、鮎の友釣りなんて伝統漁法なんてことになりそうです。
鮎の友釣りは釣りとしてもものすごく面白いし、食べてもすごくうまい魚だから、なんとかして面白さを復活してほしいです。
水産試験場、稚鮎業者がもっと工夫すれば何とかなりそうなのに(6〜7年前の状況に戻すだけ)どうしてならないのか不思議です。
あまりに寂しいから、大して釣れなくても今年からまた鮎釣りを始めようと思います。
やっぱり、夏の食卓に鮎の塩焼きは必需品です。