文化・・・・・・culture

 「文化」なんぞという、たいそうなタイトルなつけてしまいました。
実はこれ、私が大変困っていることなのです。
ヨーロッパに行くと、「よく来た、おれの国はいいだろ」なんてことをよく言われます。そして「お前の国はどんな国だ」と聞かれます。いつも返答に困ります。日本をそんなふうに言えない自分を発見します、いつも考えさせられます。(内容だけでなく英会話能力の問題も大きい)

  海外にでると、自分が日本人だということをどうしても意識します。
日本に住んでいるだけで、日本の文化なんてなにも知らない。戦後の日本は欧米の文化、テクノロジー一色で発達してきました。(そうされた)
私が育ってきた時代、日本の伝統文化なんてものは時代の遺物くらいにしか認識されなかった。
しかし海外から見た日本は、やはり能や禅の不思議な国なのです。
 
そんな文化を見たり聞いたりし、理解し、好きになりたいと思いました。
そして、いろいろ見ました。(劇場だったりやテレビ鑑賞で)
しかしいくら見てもあまり好きになれないのです。
たまたま運悪く見てしまった、かなりの老人の女形が赤い着物で踊っている歌舞伎なんて、気持ち悪いだけでした。(だってしわしわじいさんのおやまなんてきもい)だいたい男しか出演しない演劇なんて、男には面白くない!!(タイのニューハーフショウはおもしろかった、最近評判の中村勘九郎の中村座はおもしろそう)
能は内容がよく分からず眠かった。(薪能は雰囲気がありそうだ)狂言は面白かった!山城跡でみた地歌舞いはかっこよかった(美人のせいかな?)。
舞妓の踊りはたいしたことない。日本の踊りには“ほとばしる”といったものが足りません。
民衆の踊りに盆踊りがあるけれど、同じ振り付けのくり返しばかりで、どうもうつくしくありません。音楽も三味線の音がどうにも好きになれません。(唯一おわら風の盆の音は好き)深く知らないことがいけないことだと認識していますが、深く勉強しないと好きになれないようなのも問題だ。
一番の問題は私が西欧文明に染まっているからだろうと思います。
・・・・・・・そんな教育だったから仕方がないのかも知れません。(そんな教育をした国がいけない)

  いま多くの日本の女性がフラメンコを習いにスペインに行ったり、バリ島にバリ舞踊を習いに行ったりしています。フラメンコもバリ舞踊も、アイリッシュダンスもすごく好きです。すごくかっこいいと思っています。日本の伝統芸能よりよほど好きです。

 しかし・・・・・・・“それらは外国の文化で日本の物ではないだろ”といいたくなってしまうのです。

フラメンコなどはどんどん国際化して、日本にも教室がいくつもあります。
スペインにフラメンコを見に行って、日本人ばかりが踊っていた・・・・なんてことになったら・・なんでだ!!・・・・・なんて気分になります。
日本人がやっているオペラなど、イタリア人は『なぜ?』って不思議に思っているようです。
 日本の伝統文化である相撲界に多くの外人が入って来ました。(日本人になりてがいない)
相撲が国際化し、好きで入ってきたと言うより、ただ金儲けに来ているのです。
上位は外人ばかりです。そのうち全て外人なんてことになるかも?(黒人のちょんまげ姿もちょっと見たい)
いっそ世界選手権にして世界中から人を集め、相撲格闘技のようにした方がいいのかも!グローバル化している世界だから、独自の文化を大切にしたいとも思うし、もうそんな小さいを言っていないで、どんどん国際化すればいいという思いもあります。

  伝統を大切にしたいという自分と、そんなものは壊してしまえという二人の自分がいます。
また伝統を好きになりたいという思いと、それを好きに成れない自分が葛藤します。

 芸能に比べ、日本画や浮世絵、工芸などはどこの国にも負けないすばらしい出来だと思っています。ニースの水族館のとてもいい場所に日本の工芸が展示されています。日本人ということを誇りたくなります。
浮世絵はヨーロッパの絵画に多くの影響を与えました。すばらしい美術感覚に西洋の人があこがれたようです。

 伝統って何、独自の文化って『なに』って考えさせられ、困惑しています。

 これから学校で伝統文化〔邦楽など)の授業が始まるようです。
これから何年か後、伝統を守るだけでなく新しい日本文化の波が出てこないものかと楽しみにしています。