お遍路3年

四国お遍路を初めて3年が過ぎた。
6回四国に行って、その歩いた距離約1000キロ。お参りした寺、59寺
私のやっているのは区切り打ちといって、繋ぎ繋ぎ何回かに分けて四国を歩いている。
年に一回7日間くらいしか歩いていない。
一日に歩く距離、大体25キロ〜30キロ(お寺の多くは山の上にあり、登山に近いところが多い、なおかつ荷物を背負っている)。その距離が多いのか少ないのかはいちがいにいえない。
通し打ちといって、いっきに四国八十八ヶ所を回る人で、ある程度の日数が経って、歩ける体になった人は、老人も若い人も当たり前に40キロ以上を歩いていく。健脚の人は50キロ。もうビックリ。そのほとんど60才以上の人。
それに較べると情けなくなるような距離しか歩けない。
前回も78才のおじいさんに「お先に」っと抜かれた・・・・・涙
悔しいけど、普段コンピュータの前に座っているだけで、仕事の調節をしながらの区切り遍路ではしかたない。
特別な信仰でも悩みがあって始めたわけでもない。
一番の理由はダイエット。近所を毎日歩こうと思っても、なかなか続かない。思い切ってお遍路にでもでれば、歩くようになるのではないか・・・?そんな思いで始めた。ダイエットとしては成功していないが、お遍路の練習をかねて、日常的に歩くようにはなった。足腰が丈夫になり、山登りや川歩きが苦にならなくなった。まあ健康にいいのは当たり前として、お遍路で知り合った人たちからはいろいろなものを教わった。これから自分自身がどんどん老人になっていくのだけれど、老人としての心構え等、肝に銘じたこといっぱい。それからお接待という文化のある四国の人々。何人もの人から、お弁当食べていって!ジュース飲んでいって!ミカン持っていって!銭湯でも緒接待ですからサービスしますと無料だったりともうびっくりすることの連続。そんな親切を受け、こちらの心が何回も温かくなり、こちらからも親切にしたいと思うようになった。古き良き日本を見ているような四国。不思議の国。
残すところ200キロ強になって、今年中の終わらせようか、来年に持ち越そうかで迷っている。
200キロということは8日あればたぶん歩き終えることが出来る。(全て歩くことを結願-ケチガンといいます)
一気に終わらせたいという思いと、もうちょっと伸ばしたいという思いが交差している。
始めた頃に較べると、お遍路に対するモチベーションがすっかり落ちていたのですが、もうすぐ終わるとなると、ちょっと惜しくもなってくるものです。人間の心ってほんと複雑なものです。
徳島から始め、高知、愛媛と歩き終え、もうすぐ香川に入ります。遍路道の脇には多くの讃岐うどんやさんがあるそうです。おいしい讃岐うどんをほおばりながら、残り200キロを歩きたいと思います。
多くの人が八十八番大窪寺に涙の結願をするそうです。今までの人生でゴールして泣いたなんてことはとんと記憶にありません。
涙がでるのか分かりませんが、その感激を味わって見たいものです。

(2005年8月)