法衣カタログ

今どき呉服屋さんに行って、「男物のコートが欲しい」「男物の半襦袢が欲しい」
「男物の色足袋が欲しい」などなどと言っても、「はいどうぞ」なんて言って出してくれるお店は
めったにありません。
呉服に関わる男物を入手しようとするのは、結構大変なのです。


 以前、知り合いのお坊さんと着物の話をしたことがありました。
呉服屋は値段も敷居も高いからなかなか買えないなんて話をしたら、寺関連の業者が法衣のカタログを毎年持ってきていて、
そこには結構お買い得な着物がのっているよとのこと。


そうでした、うかつでした。

いまどき、普段着物を着ているといったらお坊さんか落語家か相撲取りくらいなものです。
お坊さんにとって、着物は普段着、そんなに贅沢するはずがありません。これはいいことを聞きました。
そして、さっそく見せてもらいました。

いやーおもしろいのなんの!!

あるは、あるは、リーズナブルな着物がいっぱいあるではありませんか。
カタログで見る限り、どれも使えそうです。
夏物も、冬物も、合羽も、コートもあります。お寺の庭掃除にぴったりの作務衣、茶人などがかぶる帽子もあります。
子供用坊主セット、法衣や仏事に使うもの、もう見飽きません。坊主ミラクルワールドです。
お寺の道具や衣装もカタログショッピングなのですね。
ビックリ!!
それにしても坊主モデルの決めポーズはなぜグーなのだ?

 それにしても呉服屋さんの値段は高い。
友人に着物の卸をしている人がいるのですが、呉服屋の値段は信じられないといいます。(生産者の利益がすごく少ない)
以前呉服屋が20万円くらいする着物をものすごく安いというので、あなたは20万円のスーツを買うかというと、
そんな高いもの買うわけない!というのです。
自分は20万をすごく安いと言っておきながら・・・・・・・着物業界の常識は世間では非常識です。
まあ成人式の着物だけで一年食べていこうと思ったら、どれほどの掛け率にしなければならないかが分かります。
お手軽に入手にするには、多くの人が普段に着て、生産量をあげるしかありません。
いま多くの人が夏に浴衣を着るようになりました。
きっと業界も一息ついていることでしょう。
この勢いをもっともっと広げられたら、着物が身近なものになりますね。
“今日はデートだから、着物にしようかスーツにしようか?”なんて時がくるといいのですが。

ところでまだ、法衣カタログで着物を購入していません。
一度注文したいと思っています。

着物は欲しいけれど高いと思っている方、お寺に.直行です。(一般も注文出来るそうです)


なかなかおもしろそうでしょ!それにしても、なぜお坊さんの決めポーズはグーなのだ?