イラストレーターになる

イラストレーターとして28年が過ぎました。
イラストレーター、カメラマン、コピーライター・・・・カタカナの職業は自己申告で職業になります。
20歳のとき名刺にイラストレーターといれました。
誰がなんと言おうと名刺に印刷されているのだからイラストレーターです。
ちなみに税務署では「その他の事業」というなんとも寂しい扱いです。

美術大学入試に失敗した18歳、浪人として上京しました。
浪人としてデッサンを描きまくる日々を送っていたのですが、またしても失敗。
 そんなとき“美学校”という徒弟制度で絵描かせるという変わった学校があることを知りました。その学校は当時、学生運動に夢破れた人が多くいました。
ですから同級生には東大、一橋大、大阪大、早稲田大などそうそうたる国立大学、有名私立大学中退者がいました。彼等の頭脳はすばらしかったけれど、デッサン力はありませんでした。そんななかで楽しく絵を描く日々を送っていました。
しかし学生も2年たったら終了し、仕送りも途絶えます。

 私は働くことがきらいでした(誰もですね)。
アルバイトしても3週間が限界でした。それ以上しようとすると体がいやいやするのです。ですから就職するなんてことは気絶するほどのことでした。
思案の結果、絵で食べていこうと決断しました。
学生時代から、絵を描いては出版社に持ち込むということを始めました。先生の紹介などもあって。すこしづつ仕事が発生するようになりました。
(中村宏先生ありがとうございました)いろいろな出版社にも持ち込み。多くの仕事をするようになりました。
仕送りがなくなりますから、卒業するまでに、なんとか食べられるようにするしかありません。(家賃も必要です)

その時名刺にイラストレーターと印刷したのです。

 学校を終了してから2年ほどはアルバイト半分、イラストの仕事半分で暮らしました。その後はなんとかイラストだけで暮らせるようになりました。
ですからイラストレーター歴28年なのです。(仕事を始めてからは30年)
当然、順風万帆なんてことはなく、いろいろなことがありました。
 これからもいろいろなことがありそうです。
そんな中でもしっかり自分を見つめ、時代を見つめ、描き続けていきたいですね。