悲しい川

 もう怒っています。。川の事なんか何も考えていないよーな国に怒っています。川を水路とか用水としてしか認識してないように思えます。

以前、私は愛知県の男川漁協の組合員をしていました。そして河川汚濁監視員を10年にわたりしていました。そのころいろいろなことを眼にしました。川の事に関しては怒りを越え、悲しみを越え、投げやり状態になりました。魚が産卵していた上流域に3面護岸は造るし、淵は埋めて真直ぐな水路に変えてしまうし、もう業者の為の工事としか思えないような工事が行われています。
1999年私の家の前の川でも護岸工事が行われました。天然のゲンジボタルがいたのですが激減しました。この川は漁業権が設定されてない支流で、業者のやりたい放題です。工事が行われるのは漁業権の設定されていない(漁協が文句を言えない)支流ばかりです。こんなことは別に男川に限った事ではありません。日本全国どこでも同じ様なことが行われています。釣りに行くと毎年景色の変わってしまう川もあります。
もう一つ、田んぼを整備するときに、水を引く小川をコンクリートの水路にかえてしまうことです。
田んぼの整備と下水道工事がセットになっていて、すごい工事が行われました。
結果、小川からはドジョウも、メダカも姿を消しました。
単純に水はきれいになりましたが、なにも住めないただの水路になりました。その水が流れ込むあたりには鮎は住まなくなりました。
日本の川はどこに行ってしまうのでしょうか、本当に悲しく思います。工事を担当している多くの人々の中には、奇麗だったころの川がコンクリートで固められて行く姿を悲しく思う人はいないのでしょうか。
漁協にもあきれる通達がきます。できるだけ川から岩を取り除けというのです。魚も虫も住むなということに他ならないのです。こんな状態が日本の川の現状です。渓流が流れているような町や村には税金が沢山落ちません、財源の確保の為に公共事業に頼らざるを得ないのです。国の命令には村をあげて弱いのです。なんとか水や木の為に都市から田舎へ税金が流れないものかと願います。
今、ひとつの希望があります、ドイツなどではコンクリートを剥がして自然な状態に近い、親水護岸の工事が進められています。日本でも一部で始まりました。この工事は今までの工事の3倍の経費がかかるといいます。業者にとっては3倍儲かるおいしい仕事になるわけです。日本中の川の護岸をはがし、親水護岸に変えるとなると、とんでもなく時間も経費もかかります。しかし儲かるとなると進みます。悲しいけれど現実です。でもそれで川が生き返ってくれればいいと思うしかありません。