トムソーヤ計画

 「最近川で遊んでいる子供がすくなくなった」「おれの子供の頃は、毎日、川で遊んでいた!」と友人,ヤスオさんが嘆いていた。
「川沿いに川遊びの基地作って、子供達が遊べる場所作ろうか。」てなことでこの計画はお気楽に始まった。(ヤスオさんの川沿いの土地に)始めてみると、仲間が増え、船頭が増え、計画がだんだん大きくなった。
当初、木を簡単に組み合わせ、屋根はビニールシートをかけるくらいの、簡易テントくらいの物を想定していたのだが、木はそこらにいっぱい生えています。ちょうど間伐にいいと、どんどん切り出します。製材屋の仲間(しょうちゃん)も入ったものですから、ただの丸太がすぐに材木になります。なんだかすごいことになってきました。
1〜2ヶ月で完成させようと思っていたものが、結果、1年もかかった。なにはともあれ、川沿いで昼寝したり、食事のできる基地が完成。屋根のついた8畳くらいのテラス。
基地は、人目につかない秘密の場所、ちょっと(相当)いい感じ。浅瀬が多い川の中で、深みもあって、潜ることもできる、貴重はアカザも生息している。なかなかいい所。
問題はテラスが少々傾いていて、寝返りをするところころと転がり、落ちるのではないかという不安で熟睡できないことだ!
完成したのもつかの間、ヤスオ棟梁(ただのおやじから格上げ)が「こんどは見晴しのいいところに泊まることもでき、宴会ができる小屋を作ろう」といいだした。・・・・・・・・・・・・・・「小屋って言ったって」・・・・・・・・・・・・・
「昔、山作業に使っていた小屋が山に放置されている、骨組みくらいは使える、移築してみる」
・・・・・・・・・・・・「じゃあ、やるだけやってみようか。」
てなことでトム・ソーヤ計画part2が始まった。
こんどはきちんとした屋根もできるし壁もできる、囲炉裏も作るつもり。
しかし全員素人。製材屋さんは、木は切っても組み立てはしません。
しかし全員木工好き、なんとかなるでしょう。
そんなこんなでトム・ソーヤ計画part2が始まって一年。
それぞれが、好きなときに勝手に作業する。計画も何もない。材料は適当に森から切ってきて、皮をむいて板にする。
その場その場で適当に作っていきます。とんでもない無計画さなのですが、これがトムソーヤ計画には重要です。
ですから、いまだに完成しません。
りっぱなログハウスを目指すのではなく、ただの小屋。素人がつくった、ただしい小屋を目指します。
新たに永倉という家具デザイナーが仲間入り、木工は専門なのですが、今、土壁に興味を持っていて、土壁担当。
小屋の名前が「トムソ−庵」となり、和風傾向に向かうことに決定(いまごろ決定してどうする)、ほったて小屋からいっきに小屋風茶室仕様。
見晴らしのいい所でのんびりするはずが、のんびりどころかずーっと作業。
ただちょくちょく行われる完成祝いの宴会。5/1完成祝い、4/1完成祝い、3/1完成祝い、2/1完成祝い、忘年会、新年会、もうたっぷりの宴会。宴会のたびにヤスオ棟梁がイノシシやシカの肉を見つけてきます。宴会鍋奉行のまさよちゃん(ベンツ早川の妻)がいつもいつもうまい鍋を作ってくれます。
なんか割烹『トムソ−庵」にしてもいい感じです(手打ちそば屋でも始めようかしら?)
子供の遊び場つくりのつもりが、おやじの遊び場作りに、いや遊び場つくりというより遊びそのものに。
Part2が完成したら、Part3でこんどは炭焼き窯作り、窯の熱を利用した風呂作りの予定。

最近ヤスオ棟梁とベンツ早川氏(独車の修理名人)が木工の技術を買われ、小学校(PTA)の鳥小屋つくりにかり出され(インコ小屋なのに熊が飼えそうな小屋を作っている)、トムソー庵作りを休んでいる。
早くそんなものはやっつけて、トムソー庵つくりに復帰してもらわないと困る!
トムソーヤ計画はいつ終わるのでしょう?
(2004.1.23)