アビラびれ

フライフィッシングに捕えられている人間のほとんどが、アブラびれにこだわりをみせます。
アブラびれとは、サケ科の魚にみられる、背びれの後ろにある、ちいさなひれのことです。
サケ科の魚には全てアブラびれがあります。
だからアブラびれがないばっかりに、ウグイは、不当な扱いを受けています。住む場所もだいたい同じ、食べ物も同じ、うろこもまあまあ小さい、違いといったら、アブラびれが無いくらいなものなのに、釣り上げられた瞬間「なんだウグイかー」・・・ポイッ・・・と、手荒いリリースをされます。ウグイにしたら「WHY? ホワイ? ナゼ?」と言いたくなるでしょう。(ただ少々体臭がきついのも原因の一つかな)
しかしこのアブラびれ、なにか特別役にたっているようには見えません。泳ぎに違いがでるとも思えません。人間でいう、盲腸みたいなものなのでしょうか。けれどアブラびれの付いている魚の話しとなると、皆、目が輝きだします。
そんななかアブラびれがあってもフライフィッシャーマンから注目されない魚に、鮎がいます。釣り味、食べ味、どれをとってもサケ科の魚に負けません。(ちなみに鮎はキュウリウオ科で、うぐいはコイ科です。)
鮎には江戸時代からの歴史をもつ“どぶ釣り”といわれる毛針り釣りがあります。ふだん餌釣りでサケ科の魚を釣っている人達は、この“どぶ釣り”で鮎を釣ることが時々あります。ところが普段毛針りで釣りをしている、フライフィッシャーマンは、この“どぶ釣り”にソッポを向いてしまうのです。なにか不思議なものがありますね。
 それと皆さん知っていましたか、シシャモにもアブラびれがあることを。このシシャモの扱い、どうしましょう?