カタカナの釣り

 フライフィッシングで使う用語はカタカナです。ルアーフィッシングでもカタカナです。カタカナの釣りではカタカナが幅を利かせます。
同じ釣り用具でさえ釣りによって呼び方が変わります。竿はロッドになるし、針はフックです。糸なんかラインにはじまりリーダー、ティペット、バッキング、用途により変化します。まるで出世魚のようです。
 この呼び方に抵抗を覚える年配の方も多いと思います。なぜこうなったかはわかりません。ただ何か欧米に対するコンプレックスを感じとってしまいます。
 横文字を使うと突然グレードが上がった様に思う日本人の習性でしょうか。最初に用語を翻訳した人もそのような人だったのか、それともまるで釣りを知らなくて、日本語への翻訳に適切な言葉が思いつかなかったなのではないか、などと想像してしまいます。
 だからフライフィッシングを本当に日本に根付かせるには、カタカナをひらがなに変える必要があるんじゃないかなあ、と思ったりもします。
・・・でもフライフィッシングが“西洋式疑似餌毛針釣り”なんて紹介されていたら、きっと私は始めていなかっただろうな・・・・。
 フライフィシングを始めるにおいて、いくつかのカタカナ用語をいやでも覚えなくてはなりません。竿はロッドです、針はフックです、投げることはキャスティングです、網はネットです。魚の取り込みはランディングです。
そうこうして1年もするとりっぱなカタカナ釣師になれます。「このロッドのアクションはスローだファーストだ」「フックのゲイプがどうだ」「フライへのドラッグがどうだこうだ」・・・ひらがな釣師から白い目で見られること受け合いです。
 そんな中、どうしても納得出来ないことに、魚の大きさをいうのに、尺を使うことです。インチを使うならともかく尺ですよ、納得できません。インチからセンチを飛び越え尺になってしまうなんて、おかしいです。
重さにはキロを使うのに、長さが尺では許せません。30センチを越えた魚を、尺オーバーなんて言い方をします。30センチにちょっと届かないときには、泣き尺なんていいます。どうかんがえても変ですよね。センチを標準にしましょう。
ちなみに国際標準単位はセンチ&グラムだそうです。
 思えば日本の単位って変ですよね。センチやフィートや尺や坪が混在しています。釣りにおいてはこれにヒロなんてなんともはっきりしない長さがでてきます。これが今の日本の文化なのでしょう。
 こんな日本でのフライフィッシングではありますが、いいこともあります。英語が話せなくても、海外での釣りでガイドとコミニュケーションがとれることです。
 フライチェンジ....オッケー・・・・フィッシュオン・・・・・ビッグフィッシュ・・・・サンキュウ・・・なんて具合です。まあそんなものです。