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ガムのマーケティング

リグレーのチューインガムマーケティング

20世紀のはじめ、最も宣伝広告費を使う業界の1つに、チューインガム業界がありました。
とくにリグレーはこの当時、今に通用する先進的なマーケティングを展開しました。

1、ダイレクトメール作戦
  すべてのアメリカの電話帳に記載されている加入者(その当時150万人)に無料でチュ
 ーインガムのサンプルを一人当たり4枚ダイレクトメールで送り届けた。
 1919年加入者が700万人になったときにも再度同じ無料ダイレクトを送付した。

2、宣伝ガール
  奇抜な宣伝コスチュームを身につけた宣伝ガールを、全米の都市の目抜き通を歩かせ
  人々の注目を集めた。

3、景品作戦
  ガム1箱と柱時計などの景品を交換するキャンペーンを実施。販売促進に成功した。

4、 キャッチフレーズ
  禁酒法が廃止され、お酒を飲む機会が増えると、すかさず「お酒の臭いを取り除くガム」
  というキャッチフレーズでベストセラー商品を育てる。

現代のマーケティングに通じる販売促進を積極的に展開。日本上陸時も(大正5年)大手
新聞の全面広告を数日間続けて掲載するなど、注目を集める宣伝広告を積極的に展開し
今日の世界中に知られるガムメーカーになりました。



現代では、さらにものすごいマーケットの戦争が勃発しています。

チューインガムの売り場は、コンビニやスーパーでは基本的にはレジの近くの限られたス
ペースにあります。この販売場所を獲得するために、あらゆるマーケティング戦略が繰り広
げられています。

その1 楽しむためのガム
   チューインガムが爆発的に売れたのは、戦後の子供たちに大人気のフーセンガム、こ
   のガムは今までスーパーやコンビにでは売ることができませんでした。なぜなら、バー
   コードが付いていなかったからです。最近のポスレジに対応するためメーカーは容器を
   大きくし、バーコードを付けました。
   この結果、どのお店でも売られるようになり、また他の駄菓子にも取り入れられ、駄菓子
   ブームとなるほどの人気となりました。マルカワの「マーブルオレンジガム」はその代表的
   商品といえます。


その2 口臭予防、エチケット系ガム

   昭和30年代「クロロフィル」を配合したロッテの「グリーンガム」が発売されると、お口の
   臭いが気になる人、デートの前のエチケットとしてグリーン系のガムが大ブームとなりま
   した。
   その後「クロレッツ」など強烈なコマーシャルで印象に残る口臭予防効果のガムは、現在
   味と効果が長続きする競争時代に入り、30分効果が長持ちすると宣伝するメーカーも現
   れました。


その3 お口の健康、歯の健康、口内ケアを提案するガム

   平成8年、ロッテがキシリトールガム(キシリトールを商品登録)を発売、虫歯になりにくい
   一歩進んで、虫歯を予防する効果をうたったガムを発売、キシリトールブームが巻き起こ
   りました。
   「キシリッシュ」「ポスカム」「リカルデント」、さらに歯磨き粉のトップメーカー、ライオンが「
   メディッシュ」でこの分野に参戦、激戦状態が続いています。


その4 香り系ガム

   昭和47年、ロッテは香りを重視したガム「イブ」「ロブ」「ドナ」を次々と発売、香りを意識す
   る女性をターゲットに販売しましたが、トイレの芳香剤とよく似ていたため失敗。
   平成20年、カネボウが「カラダ香るガム」「オトコ香るガム」な発売、爆発的なブームとな
   りました。
   毎年様々な香りを謳ったガムが新発売されています(毎年新製品が出るので掌握できて
   いません)。


その5 眠気覚まし系ガム

   昭和57年、ロッテが「ブラックブラックガム」を発売、クールミントガムよりさらに刺激を強化
   し、眠気を吹っ飛ばすガムを発売、大ヒットとなりました。運転手や受験生、気持ちを引き
   締めるとき、このガムの強烈なミントの刺激は画期的でした。
   その後、キシリッシュ、クロレッツ、など、各社競って新製品を発売、現在に至っています。


その6 定番 フルーツ系ガム

   リグレーが1893年「ジューシーフルーツ」を発売、ミント系とフルーツ系はチューインガム
   の定番中の定番となっています。
   ロッテも昭和34年「ジューシーミント」を発売、以後様々なフルーツが発売されてきました。
   最近では、ふだん手に入らない味覚のフルーツガム、「ドリアンガム」「マンゴスチンガム」
   や、味や香りがさらに進化したフルーツミックス系ガムも登場し、いつでもフルーツが楽し
   めるようになりました。


その7 美容と健康系

   「ニコレットクールガム」「乳酸菌、食物繊維ガム」「花粉対策ガム」など禁煙、体調管理、
   花粉対策など、ガムに美容と健康を目的をはっきり明記し、効果を謳ったガムも登場してい
   ます。


その8 ご当地、地域限定、宣伝系ガム

   「安全運転推進運動」「北海道夕張メロンガム」「東北限定津軽りんごガム」など、お菓子の
   業界ではご当地限定商品が多く登場していますが、ガムも多くの商品が発売されています


その9 キャラクター系ガム
   ガムといえばキャラクター、時代とともに子供から大人まで様々なキャラクターが登場してき
   ました。
   最近では「竜馬伝高知ゆず」「島耕作グリーンガム」「ガンダムグリーンガム」「サンデー×
   マガジン×グリーンガム」、子供では10年以上続いている「ドラえもんフーセンガム」「キテ
   ィーガム」「セサミストリートガム」など、時代を反映するチューインガムが毎年発売されてい
   ます。




容器戦争

   板ガム、粒ガム、ボトルガム、袋ガム(最近のポスカ)、箱ガム(フィット、キスミント)など、
   様々の容器が、包装紙が提案され、さらに売り場獲得競争が激化しています。