過去も未来も愛さないで今の一点だけを愛せられるのだろうか。今かけられた優しさや、今の点から起こる何にも恐れない感慨を持ち合わせられたものには、負けてしまう。負けるというかとても強く見える。この感覚が好き。「敵」を潰すことなんて思いつくこともしないで、敵よりもまず自分が抜きんでる。絶え間ない自己主張の中での思いやりが美しく、幸せに見える。幸せでいることがいつの間にか「敵」をも潰しているように思う。 無邪気に見えるこの感覚を、そっと落ち着いた心で見守ることが夢である。たまに見せる弱さも強さのうち。背筋を伸ばして冷静にこの感覚を享受していよう。過去や未来の虚像は愛せられないものだと気づき、ほかの誰でもない自分に気づく。 |