今生きている世界には様々な無機質のものが入り込んでいる。それは時代が進むに連れて、便利になるということと引き替えに入り込んでくる。無機質のものの中にひとり埋もれると、ある時自分を壊すかもしれない。楽しいとか辛いとかの感情は、対人間味を感じるときに起こるものだと思う。その起伏を避け、安定を求めるならば無機質の空間は絶好の場所である。 そういう意味で、無機質のものは人間が使うのではなく、逆に使われることがよくあるのだと思う。もとをたどれば、無機質のもののほとんどは裏に人間の功績があるはずである。極端にいえば、自分の作ったものに使われ、自分が制御できなくなることが起こっている。周りに人がいるからこその感情だと思う。 無機質の雨を降らせている雲の向こうには太陽があることを知らなくては。 |