いろんなことを知ることでより罪深くなる。しかし、その罪深さは巧妙で臨機応変さに繋がっている。自分と他人の関係や、自分の欲望をいつも良好に保っていられる。欲望に関しては感覚が麻痺してくることも多いのだけど。 それには、行き詰まりを必要とする。自分の前に壁が現れなければならない。臨機応変に行動できるためには、経験が不足していてはできない。自分の前に道が用意され、それに従わねばならないといった状況では、進んでいて壁にあたらないどころか、進むのをやめてしまう。そうして巧妙なずる賢さを得ずにエゴイスティックになるのである。壁を乗り越したときの快感を知らない。教えない。自分の生きている満足感をそこで味わわないままになってしまう。本当はすぐに壊れてしまう「人」は、巧妙さを身につけて強くあれるのだと思う。 |