記憶リンクス

もっともはじっこにある夢の中で、ぼくは生きている。戸惑いながら着実に歩を進めている。君の頬の中には実は夢が潜んでいるのだと、最近になって分かってきたような気がする。そっと影から見る、抑鬱に囲まれた君の姿は、何というかもどかしく、そっと触れないでおいてあげたいようなものでありそうだ。ぼくの中の世界と君のとはまるで違う、人それぞれ何か大きなものを抱えている。夢で通じ合う部分は、沈着して遠くの荒陵を眺めあっているように同じ空間を築いている。時間のかけら。月のおぼしめし。


絡み合い

なんでだろう。人はそんなに苦難の道を駆け抜けなければならないのか。表面上の柔らかな笑顔の裏にある、広大な他者未踏の領域が存在する。様々な苦しみの上に、乗り越すために、ぼくが見る範囲のものは限られてくる。あぁ、もっと近づきたいと思う度の倒錯が、実は自己破壊へと足を忍ばせている。棘も何もぼくは知りたい。実行不可能な欲望が襲うとき、隣接の会話が押さえ込められる。何とかしっとり生きていけないものか。渦巻く波際にそっと輝かしい花でも。


DUST

人が生み出した狂喜乱舞の有様。生きていくために必要なものを手に入れようと、内面では必死になっている。汚れた町から見える綺麗な心は、実は固い殻に囲まれて何も意味をなさない。ぼくだってすさんでいるそのはけ口が、何故ぼくの目に見えているのだろう。とてもはしたなく、夢が犯される状況において、きっと我が道の神様が微笑んでいるのだろう。止められない状況。自己完結に終わっている精神の病に比してなんてブラックムーン。黒の月。