西瓜

 

飛んでいこうとして墜落した晴れやかな町の真ん中で気持ちいい西瓜の中には、少なからず種があるだろう。本当に曖昧である夢の中には西瓜のことなんてあまり認識できないけれども、とりあえず早く滲みだしてくるはず。壊れゆく魂のなかに潜む近場の唯心はこの言葉に犯されている。