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節分、立春と、暦の上の春は、もうすぐそこです。
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二月には、朗読会をと、昨年から計画してきたのですが、
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一月半ば、母が急逝して、やむなく延期というかたちにしました。
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あまりにも突然のため、狼狽がまだ続いており
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とても、こんな不安定な気持ちではできないと決めました。
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楽しみにしていてくれた出演者の方には、大変申し訳なかったです。
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二月の朗読会ということで、テーマは、「春は海から」。
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海を描いた作品、海にかかわりのある作品を集めておりました。
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高良留美子さん、牟礼慶子さん、三好達治さん、
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そして、鈴木ユリイカさんの作品です。
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どの作品も、海を通して、ひととの関わり、父母、家族を描いています。
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今、父母のことを書いた作品は、とても冷静には読めません。
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鈴木ユリイカさんの「海のヴァイオリンがきこえる」は、
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亡くなられた父親のことを書いた長編です。
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<海のヴァイオリンがきこえる>という一行が、作品のなか
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何回も繰り返されます。
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そのリフレインは、波の打ち寄せるのにも似た効果をもって
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ぐいぐいと海と父親のイメージを膨らませてゆきます。
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海のヴァイオリンがきこえる
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お父ちゃん わたしはあなたを愛したのですよ
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でも あなたは女の子というのが全くわからなかった
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女の子というものは体のなかにちいさな花や星や貝殻や何かをた
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くさん持っていて
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いつもやさしくゆすっているのです
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ひととひとの時間、なかでも親子のそれは、どうしてずれてしまうのでしょうか。
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こころから話し合える、話したいと思ったときその時、父母はもういないのです。
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「海のヴァイオリンがきこえる」は、詩集『海のヴァイオリンがきこえる』
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一九八七年思潮社刊
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