大奥

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TVD 関西テレビ開局10周年記念番組 大奥


放映:KTV 1968/04/06〜1969/03/29
音楽:渡辺岳夫

内容:「大奥」を知ったきっかけは、大学生だった姉が見ていたのが最初でした。中学生になったばかりの私にとって、この時間帯は当時「深夜番組」に入るものでした。いわば「大人の番組」であったわけで、親や姉からしてみれば「いっしょに見る」には邪魔な存在だったのでしょう。

 さて「大奥」の第一印象は渡辺岳夫さんの曲を背景に岸田今日子さんの語りで始る壮大なオープニングです。そして哀愁ただよったテーマ曲、ヤクザ映画に本業を注いだ東映がテレビでの時代劇に本格的に取り組んだものだけに、手の込んだものだったと思います。
 豪華キャスト、見事な衣装、正確な時代考証、言葉遣いなど。当時の有名女優を次から次へと「いい役」「悪役」にわけ、各将軍の時代ごとに2〜3話に綴ってゆくいわば時代順オムニバスの連続のようなドラマでした。

 ですから木暮実千代さんなどは「矢島の局」役であっても、藤純子さんをイジメたばっかりに、あとあと「恐いおばさん」のイメージが残る、(ちなみに二年後の『大坂城の女』でも淀殿で宇津宮雅代さん演じる「千姫」をイビる)。「ただいま11人」の優しいお母さん、荒木道子さんに至っては「大奥」で意地悪な中老を演じたばかりに、そのイメージが180度反転!。
 逆に「虐められた女優さん」は渡辺岳夫さんのBGMに応援?されて「悲しさ、はかなさ」とともに視聴者の心に刻み込まれていく。この番組で後の「大物女優」を極めた人たちも多いと思います。

 NHKの大河ドラマに対抗する当時の大型時代娯楽劇の「草分け」となったと言っても、決して過言ではないでしょう。今では「あみタイツ」の由実かおるさんがテレビの画面を飛び回る「水戸黄門」もこの「大奥」より2〜3年後に始りますが、最初のころは柳沢吉保に山形勲さんが出演するなど東映のお家芸の時代劇でした。

 話はそれましたが、視聴率がよかったのか、その後何回か再放送されています。HPのほうにもアップさせて頂きましたように、今現在もされております。「大奥」そのものというより、今ではそう再々と聞くことのできなくった渡辺岳夫さんのBGMをテレビから聞ける数少ないチャンスでもあります。
奥村佳央さん 2001/03/12


イントロ〜タイトル
KIVE-39

 ブラスの「ぶわぁ〜ん」で江戸城あらわる♪。続いて岸田今日子が例の調子でナレーション。バックの音楽は静かになって、「ぼょ〜ん」という口琴が面白い。タイトル音楽は再び派手なキメで、三つ葉葵の紋章をひきたてる。


愛の宴(大奥のテーマ) OP

作曲:渡辺岳夫
編曲:渡辺岳夫&小谷充
演奏:渡辺岳夫とチェンバリカ・アンサンブル
FS-18,28AH-2192,28KH 2211,32DH-725,KIVE-39,TECD-25485,TECD-20544,CD TFC-1621~6

 インスト曲。女性→三拍子というパターンは、時代劇でもやっていたのだ。マリンバ、マンドリン、の他に大正琴のような音が聞こえるが、これがチェンバリカと思われる。叩くかつまびく音を主体のアレンジである。映画「太陽がいっぱい」(音楽:ニーノ・ロータ)に、似た印象を受ける曲だ。EPにはタイトル「愛の宴」とある。


大奥化粧

作詞:中島貞夫、もず唱平
作曲:渡辺岳夫
編曲:山倉たかし
歌:大津十詩子
A-8,TECD-25489,TECH-25072,TFC-1621~6

 大奥のテーマ詞をつけた歌。


大奥の恋未聴

FS-18

詳細不明


涙の棲家未聴

A-8

詳細不明


EP FS-18「愛の宴/大奥の恋」(廃盤)
EP A-8「大奥化粧/涙の棲家」(廃盤)

LP 28AH-2192,CC 28KH-2211,CD 32DH-725「栄光の東映テレビ映画〜懐かしのテーマ大全集」(廃盤)

VTR KIVE-39「渡辺岳夫の世界」

CD TECD-25485「60’sTVヒッツ・コレクション」
 「愛の宴」(大奥のテーマ)の他に、「鉄人28号」をカヴァー演奏で収録。ライナーには「TV版の鉄人」と解説してあるが、本当はラジオ版なのでご注意を。

CD TECD-25489「TV時代劇グレイテスト・ヒッツ2」
CD TECH-25072「テイチク時代劇アワー」
CD TECD-20544「テレビ探検隊シリーズ 1 60'sTVテーマ・コレクション」
CD TFC-1621~6「チャンバラ万歳」




TVD 関西テレビ開局25周年記念番組 大奥


放映:KTV 1983/04/05〜1984/03/27
監督:倉田準二
音楽:渡辺岳夫
製作:東映

内容:栗原小巻、津川雅彦、平幹二朗、あおい輝彦、中野良子、田中健ほか。1968年の作品のリメイク。大奥という女社会のメロドラマに加えて、お色気やアクションもしっかりおさえている。絢爛豪華な大型エンタテインメント時代劇作品である。


セ フィニ〜愛の幕切れ ED

作詞:片桐和子
作曲:森山良子
編曲:ゴードン・ジェンキンズ
歌:森山良子
07SH-1269,MHCL-161

 エンディング主題歌は、何故かシャンソン風である。和服の映像にシャンソンの取り合わせは不思議であるが、とにかく華やかな世界。ゴードン・ジェンキンズの編曲は、豊かで暖かなサウンドを聴かせる。特にイントロとエンディングは映画音楽的なのだ。


岸辺のメロディー

作詞:片桐和子
作曲:森山良子
編曲:ゴードン・ジェンキンズ
歌:森山良子
07SH-1269

 「あなたのために歌いたいの、このメロディー♪」という、これは完全に音楽のためのオリジナル作品です。伴奏のストリングス、というよりもピチカートやバイオリンのソロまで登場して管弦楽的。アコギをバックに、フルートやオーボエが牧歌的。無伴奏パート、アンサンブル的なパート、オーケストラ中心の間奏が次々出現する豪華さ加減は、ミュージカル映画音楽的であります。
 要するに江戸城とは異世界に属する音楽です。この「岸辺のメロディー」には、挿入歌という表示はありません。




テーマ曲 OP

 イントロ部分には、岸田今日子のナレーション健在。「大奥」のタイトル文字が浮かび上がって、テーマに突入する。4分音符で「たんたん」と打ち鳴らすピアノの和音は、「白い巨塔」でもおなじみのダイアトニック並進行「CM7、Dm7、Em7、FM7」。ストリングの美しいテーマは、途切れずにクネって続く独特のメロディーだ。継いで後半は木管のテーマで、バックはブラスが盛り上げる。
 渡辺テーマ音楽は、伝統の「女性=三拍子」ではなくってきたようだ。


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 「この番組は御覧のスポンサーの提供でお送りします」というアナウンスのBGMである。これが実に格調高いのだ。A↑E↑G↑Dの音をゆっくり繰り返しているが、コードとしてはAsus4一発で「早く続きを見せろ聞かせろ」と期待させる。サブタイトル音楽も、似たパターンだ。このフレーズはテーマ曲にも登場しており、大奥音楽の重要主題と位置づけられる。


アイキャッチ

 これまた「A↑E↑G↑D」だが、こちらはドラマの最中に意表をついて「ぽぽぽぽーん」と鳴る。これは、つま弾く系の和楽器的サウンドだ。わずか数秒の、しかし実に華麗で鮮やかなサウンド絵巻なのだ。


大奥劇伴音楽

本編劇伴は、オーケストラ中心という曲は少ないようだ。そこまでの予算はなかったか。しかしストリングスやフルートには、アコースティックギターやピアノがからんでメリハリをつけている。決して簡素(貧乏)ではありません。ストリングスにはマンドリンが混ざって、しっかりなべたけ。

大奥の描写には、エレキギターやオルガンが何故か似合ってしまう。色鮮やかな着物に、控えめな電子音のコントラストが艶やかです。

しかし、大奥サウンドで輝くのはアコピであろう。あるときは「セフィニ」のアレンジ劇伴を映画音楽的な叙情を奏でる。あるときは高音にきらびやかなリバーブをかけて輝くようなメロディーを描いている。またあるときは低音を「ぐしゃぁ」と鳴らしてサスペンスも演出です。




EP 07SH-1269「セ フィニ〜愛の幕切れ/岸辺のメロディー」(廃盤)


CD MHCL-161「ちょんまげ天国」




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