ひとり


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映画 ひとり狼


公開:大映 1968/04/20
監督:池広一夫
音楽:渡辺岳夫
原作:村上元三
製作:大映京都

内容:一匹狼の無宿人・伊三蔵(市川雷蔵)の渡世を描く。名匠・池広監督がものすごくていねいな絵作りをしており、前編に緊張感がみなぎっている。時代劇ではなく、やくざ映画でもなく、股旅ものでもなく、ただ映画である。機会があれば、ぜひ観て欲しい作品だ。当サイトは音楽重視なので脚本家を意図的にないがしろにしているが、直居欽哉のシナリオの緻密さも特筆される。長門勇の脇役ぶりも見応えあり。他に小川真由美、岩崎加根子。


ひとり狼

作詞:嵯峨野竜
作曲:曽根幸明
編曲:渡辺岳夫
歌:ウイリー沖山
KICA-3030~1

 メインタイトルの主題歌である。KICA-3030~1に収録されているのは映画用のテイクで、渡辺岳夫の編曲。印象的なのはブラスのアレンジで、ダイナミックな民謡調。レコード版の編曲は池田孝。




CD KICA-3030~1 サウンドトラック・ルネッサンスシリーズ
市川雷蔵コレクション


 雷蔵主演作をあれこれ収録したアルバム。「若親分シリーズ」の他、「ひとり狼」から8曲を収録している。伊福部昭、小杉太一郎、塚原哲夫、斉藤一郎、鏑木創、高橋半、林光、芥川也寸志、大森盛太郎らの音楽を収録している。


 KICA-3030~1に収録されている「ひとり狼」劇伴音楽の特徴を簡単に述べる。ドラマの展開に合わせた組曲調の音楽がある。また、音太なブラスセクションや生弦などアコースティック楽器群が充実しており、予算十分の豪華さである。
 映画「新書・忍びの者」('66年)や「土方歳三 燃えよ剣」('66年)での聴かれるような、地の底から沸き上がる弦の動機がある。これは渡辺時代劇の重要な要素だが、この作品では惜しみなく連発している。池広監督との仕事は、ノッていたのかもしれない。エンディングは「土方歳三 燃えよ剣」のメインタイトルと共通だ。ただしこちらの最後はメジャーで終わっている。




VTR HTH-1097「ひとり狼」




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