海底
3万マイル


ホームにもどる

アニメ映画 海底3万マイル


公開:東映 1970/07/19
監督:田宮武
音楽:渡辺岳夫
原作:石ノ森章太郎
製作:東映動画

内容:イサム少年(野沢雅子)と海底国の王女エンジェル(小鳩くるみ)は、火炎竜におそわれる。口から遊星爆弾を吐く怪獣ロボット・火炎竜で、地上世界を攻撃する地底国。イサム少年は、サッカーで鍛えたオーバーヘッドキックで立ち向かう。ファンタジーと大冒険の東映長編大活劇。


海底3万マイル

作詞:岡本克乙
作曲:渡辺岳夫
編曲:渡辺岳夫
歌:ザ・ココナッツ
C-3004,P-73,CHS-31187~96,GES-30526~35,COCC-12913,COCC-13509,MECB-2014

 劇場作品ということで、毎週TVの前で良い子に一緒に歌ってもらう必要がないからか、思い切った構成になっている。まず、歌がソロになったりハモったり変幻自在である。歌の最初の2小節「波をけたててゆけ♪」は斉唱(皆同じパートを歌う)、次の2小節「深く海をゆけ〜♪」はハモという具合。
 「海をゆ♪」のコードはE♭で、トップのラインは「CB♭GE♭」と下がる例のナベタケ節です。「け〜♪」のトップはF音で、コード「D♭|B♭」の進行感をコーラスでしっかりと聴かせている。

 ワンコーラスが短いのが寂しいが、それを補うように間奏が多めで、3番まである。イントロと歌の展開の一部が「丘を越えて」(作詞:島田芳文、作曲:古賀政男、歌:藤山一郎)に似ている。


大騒ぎのタンゴ

作詞:岡本克乙
作曲:渡辺岳夫
編曲:渡辺岳夫
歌:水森亜土・ボーカルショップ
C-3004,P-73,CHS-31187~96,GES-30526~35,COCC-12913,MECB-2014

 才人・水森亜土のコミカルな歌が楽しい。全体の構成は「ダイターン3/トッポでタンゴ」に似ている。本編でも演奏されて、イサムとエンジェルはタンゴを踊る。しかし他の連中が踊っているのは、単なるゴーゴーのようです。




EP C-3004「海底3万マイル/大騒ぎのタンゴ」(廃盤)
SS P-73「海底3万マイル/大騒ぎのタンゴ」(廃盤)

CC CHS-31187~96,CD GES-30526~35「アニメ主題歌メモリアル」(10枚組)
CD COCC-12913「石ノ森章太郎の世界」
CD MECB-2014「東映動画アンソロジー 劇場篇:1958〜1971」




CD COCC-13501~10 東映動画長編アニメ音楽大全集(10枚組)


 COCC-13509で「空飛ぶゆうれい船」とカップリングされている。主題歌「海底3万マイル」は、CD COCC-12913「石ノ森章太郎の世界」収録版と異なります。荒波押し寄せる東映マークを華やかに彩る前奏付きで、2番までをモノラルでの収録です。「大騒ぎのタンゴ」は収録していません。劇伴の一部を以下にピックアップした。


音楽:渡辺岳夫

神秘の海

 おなじみのAやEの他に、E♭M7やFm7といったノンダイアトニック(黒鍵を使う)コードがばんばん登場。Cメジャーの調性がやや希薄になって、流麗に展開する音楽がある。M-3T2の中盤では、映像の動きに合わせたユーモラスな展開がある。いかにも劇場用の音楽といった趣だ。
 M-4は「C|E♭M7|E(だと思う)」のブリッジ。


イサムとチーター

 テーマアレンジで「るるる、ららら♪」のコーラスと、オルガンが主題を歌う。


エンジェル

 M-6は「C|F|B」のブリッジで、Bで終わるところが凝っている。その他、コミカルな曲もラテン仕立てになっております。


火焔竜の進撃

 「ぶおー、ぶおー」とブラスが狂奔する怪獣劇伴群。低音にはピアノも混ぜて迫力をだしております。「ぽこぽこ」という不思議なエフェクトの電子系音色もあります。半音階のメロと「だ、だ、だー、だ、だ、だー」のリズムには、伊福部昭を思い出さずにはおれません。実際、サウンドの迫力は伊福部昭に迫っております。


マリンファンタジー

 意表をついたコードで展開する音楽では、もはやメロディーなどどうでもよく音に身を浸して楽しめばよいのです。トロンボーンのコラールの美しさは「A♭M7、GM7、B♭M7、A♭M7、BM7、G」という雰囲気です。もはやコードは全然違うのを覚悟して書いてますが、同じ形(ここではM7)で移動するのを平行ハーモニーと呼びます。
 この進行でリズムにのった曲もあり、なべたけ浪花節もありで目がまわります。


海底のスキャット

 カワイらしくも幻想的な「ぱぱや♪」「ふぅ〜♪」「てゅてゅ〜♪」など、ヨーロッパ映画の雰囲気です。スキャットは伊集加代子。


イサムの冒険

 しゃべってる声のような不思議なエフェクトがあります。これは、奇っ怪な化け物のSEのようでもあります。「交響詩ガンダム/ソーラ・パワー」や「燃えよ剣のテーマ」のイントロに似た趣の音楽も。


地底国からの脱出

 ベンチャーズのような音色のギター、ミュートをつけたトランペット、銅鑼、竹をうちならすような時代劇的効果音など、これでもかの凝りようです。
 ブラスの「ECF#G#♪」のメロは、やはり組曲「惑星/天王星」(作曲:ホルスト)のオマージュでしょう。「交響詩ガンダム/ソーラ・パワー」でも堂々と鳴り響きます。


 劇伴全体の印象は「凝っている」の一言につきます。サウンドがTV作品よりも豪華です。ストーリーに合わせて「ファンタジー〜怪獣〜ミステリー」と展開する組曲風の音楽もあります。さらに加えて楽曲の展開自体も凝っているところに「劇場作品だぜ!」という意気込みがミナギっております。




ホームにもどる