ザ・
カゲスター


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TVD ザ・カゲスター


放映:NET 1976/04/05〜1976/11/29(全34話)
監督:加島昭
音楽:渡辺岳夫、音楽制作:あんだんて
原作:八手三郎
製作:東映東京製作所

内容:立花直樹(カゲスター・姿影夫)、早川絵美(ベルスター・風村鈴子)、小松政夫(神成部長)、天草四郎(風村社長)、小林昭二(屯田警部)、星純夫(業平刑事)、佐野伸寿(屯田タケシ)、納谷悟朗(ドクターサタン)、沢りつお(ナレーター)。

 さらわれた社長令嬢・風村鈴子を守るために護衛役の姿影男は戦うが、二人は高圧電線に転落してしまう。そのショックで二人の心が影に反映されカゲスター、ベルスターが誕生した。
 エンディング曲にも歌われる星条旗を思わせる派手なマントをひるがえすぎょろ目のヒーロー・カゲスターは十分に異色。一方のベルスターは変なマスク(失礼)にもかかわらず、ミニのアクションでいまなお妙な人気を誇る。
じゅんじゅんさん 1997/11/20 HOMEPAGE


輝く太陽カゲスター OP

作詞:八手三郎
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:水木一郎
SCS-294,CH-30,CW-7076,CC-4189,,CC-4431~2COCC-12840~1,COCC-7168~9,COCC-11501,56CC-1393~4,COCX-30236,COCX-34554,COZX-311~6

 歌メロの聴きどころは序盤の11小節でしょう。ややヒネリを加えて8小節パターンではないところに、ウラウラのオマケつきで半端になってます。3小節目「のぼるとき〜♪」からの進行「A♭|G|D♭|Cm|Fm|B♭|Cm」に注目(キーはCm)。「半音下がる」「増4度」「半音下がる」というキリモミ飛行で舞い降りた後は連続4度の爽快感です。ポイントは「ギュルル〜ギュルル〜♪(D♭|Cm)」のD♭でしょう。ここを「Fm|Cm」にするとフツーで、「キャンディ・キャンディ」の「わらって〜わらって〜♪」になってしまいます。この2小節を削除しても曲は成り立ちますが、それだとツマラないですね。

 アレンジ面では、テンポ180で16分を疾走するストリングス!。ティンパニを「どん、どん」と鳴らすだけのフィルインも、カッコいいぞ!。ティンパニは緩めにはったチューニングで、皮がビリビリ振動する音を収録するのがアツいんです。シンセがウィ〜ンと鳴っているのは「サンダーマスク」のこともあるし、渡辺岳夫のセンスだと推測している。シンセ音がチープだと、ティンパニはますます映えるのだ。


スター!スター!カゲスター ED

作詞:八手三郎
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会
SCS-294,CH-30,CW-7076,CC-4189,CC-4431~2,COCC-12840~1,COCC-7168~9,COCC-11501,56CC-1393~4,COCX-30236,COCX-34554

 数少ないなべたけ特撮主題歌。その特色は、エンディングがオープニングに負けないほど派手なことです。特にカゲスターは、曲といいブラスといいEDの方が俄然活劇的です。ティンパニのフィルも音数が増えてダイナミック。 イントロに「行けザンボット3」と「ぼくらのマジンガーZ」(作曲:渡辺宙明)が登場。

 曲の派手さ加減は明瞭で、トニックCmがマイナーな他はメジャーコードの嵐です。「ビュビュッとふ〜れば〜♪(Cm、F|G)」も明るいが、それに続く「Cm|E♭|B♭|Cm」はE♭キーの音頭みたい。「スタ〜スタ〜ベルスタ〜♪(A♭|B♭|Cm)」など、メロディーだけはマイナーですが、やたら明るい展開です。
 これはIV(F)とV(G)のコードが、みんなメジャーになっているためです。「ゆくぞ魔力のカゲボ〜シ〜♪(Fm|D|A♭|G)」のところだけIVmが登場、ここは帝王水木の聴かせどころ。「カゲェ!!♪」のオタケビだけではないんだぜ。


カゲは行く行く IN

作詞:八手三郎
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会
CW-7076,COCX-30236

 「毒魔人キノコンガ誘拐作戦!」の本編アクション場面にて演奏される。これまた、スピードまっしぐら&雄叫びの痛快ナンバー。特に言うことはありません。
 間奏ではストリングスが「ざん、ざん、ざん、ざん」と演奏する。この音には不思議なタイミングのディレイがかかっている。「ざんざん」やってるだけなのに、異様なステレオ効果で目がくらむ。


カゲよきみは友達さ IN

作詞:八手三郎
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:水木一郎、こおろぎ'73
CW-7076,COCX-30236

 「毒魔人キノコンガ誘拐作戦!」と最終回にて、小さい音量でちょっぴり演奏される。スピードも雄叫びも無縁の歌である。上記の3曲とはガラリと変わった名作路線。明るく暖かで優しい歌で、前半の流れは「フランダースの犬/よあけのみち」に似ている。アレンジは「ペリーヌ物語/きまぐれバロン」に近い(チャチャチャ)。
 中盤は「キャンディ・キャンディ」に代表されるマイナー展開。堀江美都子はもちろんのこと、ささきいさおも「新巨人の星/はばたけ飛雄馬このときに」で、大杉久美子も「ペリーヌ物語/きまぐれバロン」で、このパターンを歌っている。
 この歌「カゲよきみは親友さ」では、Cメジャー調からの「Am|D|F|E|Am|Em|F|ブレーク|C|G|C」という展開の豊かさを水木一郎の歌唱が増幅し、より素晴らしい音楽になっている。水木ファンには、ぜひ聴いてほしい一曲だ。なお、レコードの表記や「水木一郎大全集 2」に付属のディスコグラフィーには「カゲよきみは親友さ」と表記されていたので混乱しました。


劇伴の傾向

サブタイトル
 悪魔のトロンボーン・・と、いえばカッコ良いが、「いかにも」な低年齢向け特撮アクションなサウンドである。

アイキャッチ
 「じべ〜ん、ちゃん!ちゃん!」とってもチープだ。

テーマアレンジ
 「スター!スター!カゲスター」は、カラオケ(メロ抜き)が特にカッコ良い。CD COCX-30236「東映ヒーローソングコレクション 2」はカラオケ盛りだくさん収録なので要チェックだ。TV本編では、マーチテンポのアレンジも聴ける。
 「輝く太陽カゲスター」の16ビートメロオケは、響きの豊かなブラスのアレンジだ。はなばなしいトランペットからエレキメロへつなぐ展開もある。特撮ヒーローものだから、カラオケメロオケだけではなく歌もじゃんじゃん流れるのは言うまでもない。




映画 ザ・カゲスター


公開:1976/07/18
監督:内田一作

内容:カラーワイド21分で、脚本:石森史郎、土筆勉。怪人がたくさん出てくる映画のようです。




EP SCS-294「輝く太陽カゲスター/スター!スター!カゲスター」(廃盤)
EP CH-30「輝く太陽カゲスター/スター!スター!カゲスター」妖怪伝猫目小僧と混載(廃盤)


LP CW-7076「テレビまんが人気者(アイドル)デラックス」(廃盤)
 コンバトラーV、マシンハヤブサ、ゴワッパー5ゴーダムとのカップリングで各4曲ずつ収録。


LP SKM(H)-2276~7「最新盤!よい子のテレビ主題歌集」(廃盤)
 このレコード、選曲が変でして「カゲスター」のほか「グロイザーX」「バトルホーク」「キョーダイン」「ガイキング」「マシンハヤブサ」「グレンダイザー」「ゴレンジャー」「およげたいやきくん」などが収録されてます。このすべてを、あの池田鴻さんが歌ってるのです!(グロイザーとバトルホークは当然ですが)。池田鴻の「カゲスター」はナカナカいいです。オリジナルとはちがったダイナミックさがあります。「叫び」では水木、佐々木にまけない迫力です。
neapolioさん 1997/08/23 HOMEPAGE


CD CC-4431~2「渡辺岳夫 テレビ映画・アニメ主題歌作品集」(廃盤)
CD CC-4189「特撮ヒーロー・サウンドグラフィティVol.5」
CD COCC-12840~1「渡辺岳夫 テレビ映画・テレビアニメ主題歌作品集」
CD COCC-9059~60「19XXシリーズ 2 1976」
CD COCC-7168~9「水木一郎大全集 2」
CD COCC-11501「特撮ヒーロー・サウンドグラフィティ 5」
CD 56CC-1393~4「特撮テレビヒーロー主題歌集」

CD COCX-30236「東映ヒーローソングコレクション 2」
CD COCX-34554「特撮ヒーロー・サウンドグラフィティ 3」
CD COZX-311~6「水木一郎 デビュー40周年記念 CD-BOX 道〜road」




ウラ 々 々 !

 カゲスター主題歌における松山編曲には、八分音符の裏々々(ンタ、ンタ、ンタ)というフレーズが頻出する。カゲだから裏にしたのだろうか?。このパターンは、後に製作された「新巨人の星」('77年、やはり渡辺&松山)でも、ここぞという場面の劇伴に現れる。ただし、「新巨人の星」では、いかにもなべたけ調のメロディーをともなっている点に注目したい。この「裏々々」使用を思い立ったのが誰かわからないが、両者の一体感を象徴しているように感じられる。




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