放映:TV朝日 1978/03/06〜1979/01/29(全45話)
監督:斎藤博、腰繁男
音楽:渡辺岳夫
原作:永井豪
製作:東映(東映本社テレビ部)内容:吉田理保子(チックル)、麻上洋子(チーコ)。「音楽制作:あんだんて」とクレジットされる。
魔女っ子チックル OP作詞:永井豪
作曲:渡辺岳夫
編曲:馬飼野俊一
歌:堀江美都子、コロムビアゆりかご会
SCS-408,CW-7192~3,CZ-7264~7,CC-4677~9,CC-4431~2,COCC-12840~1,56CC-1878~9,COCC-13591~600,COCC-9063~4,COCC-11865~6,72CC-3260~2,COCC-12914,COCX-35373Dマイナーの曲ですが、ここぞという部分のD(Iに相当)のコードは当然のようにメジャーです。「ふしぎなふたり♪」の「り♪」や、「たのしいせかい♪」の「い♪」が、いちいちオシャレに響くのですね。「アタックNo.1」から時代がススんだ感があります。それでいて、後奏エンディングはDをマイナーで派手に鳴らしてキメています。
歌メロ直前、ブラスの緊張感があるコード(ルートはA)におけるCの音は、B#(#9th)でしょうか。編曲は松山祐士ではありませんが、「ザ・カゲスター」の「八分の裏々」パターンが現れます。
チックルチーコのチャチャチャ ED作詞:八手三郎
作曲:渡辺岳夫
編曲:馬飼野俊一
歌:堀江美都子、コロムビアゆりかご会
SCS-408,CZ-7264~7,CC-4677~9,CC-4431~2,COCC-12840~1,COCC-10251~2,COCC-13591~600,COCC-9063~4,COCC-11865~6,72CC-3260~2,COCC-12914
アコピ+パーカッション+マリンバの起用が「ペリーヌ物語〜きまぐれバロン」に似ていますが、こちらブラスが派手でサルサっぽいノリであります。エンディングがしつこくも楽しいです。「チャチャチャ♪」、ブラスのキメ、女性ボーカルではおなじみの「ね♪」、さらに・・
編曲の馬飼野俊一さんって、康二氏のお兄さん?。
恐るべき事に、TV放映では以下の如くにクレジットされた。明らかに誤りである。これでは誰が作曲したかわかりませぬ。「魔女っ子チックル」
作詞:永井豪
「チックルチーコのチャチャチャ」
作詞:渡辺岳夫
編曲:馬飼野俊一
EP SCS-408「魔女っ子チックル/チックルチーコのチャチャチャ」(廃盤)
LP CW-7192~3「堀江美都子 ベスト24」(廃盤)
LP CZ-7264~7(廃盤)CD CC-4431~2「渡辺岳夫 テレビ映画・アニメ主題歌作品集」(廃盤)
CD COCC-12840~1「渡辺岳夫 テレビ映画・テレビアニメ主題歌作品集」
CD 56CC-1878~9「続々・テレビまんが主題歌のあゆみ」
CD COCC-10251~2「続々・テレビまんが 懐かしのB面コレクション」
CD COCC-13591~600「アニメ主題歌メモリアル 2」
CD COCC-9063~4「19XXシリーズ 4 1978」
CD COCC-11865~6「歌いつがれる少女の夢 東映動画 魔法少女アニメ全集」
CD 72CC-3260~2「堀江美都子 歌のあゆみ 3 スター誕生!!」
CD COCC-12914「永井豪の世界」
CD COCX-35373「堀江美都子デビュー40周年ベストアルバム 堀江美都子ベスト」
ペッパー警部OP主題歌「魔女っ子チックル」には、放送の一、二年に大ヒットしたピンクレディーの「ペッパー警部」(作詞:阿久悠、作曲・編曲:都倉俊一)と共通した点があります。
「ふた〜りで一組♪」のメロディーが、ペッパーの「ワタシたちこれから♪」と同じです。それから、「ゆびゆびたてたら♪」の部分は、ペッパーの「あなたの言葉が注射のように♪」のようなズンズンズンズンのリズムで、メロディーも少し似ています。その他にはホーンぶぁんぶぁんのアレンジとかですね。チックル・チーコもピンクレディーと同じで女の子ペアなので、意識があったのでしょう。それにしても、「ペッパー警部」という具体的なアイデアがどこから出てくるものでしょうか。
マイナー少女もの「魔女っ子チックルがマイナーな作品である」と強調したいのではありません。OP主題歌がマイナーな少女ものを考えよう、というワケです。マイナースケール(ここではラシドレミファソラで説明)では、しばしばファやソが#になります。これは、自然短音階(単なるラシドレミファソラ)の和声的な弱点を補うためだと説明されています。
ナチュラルマイナー「ラシドレミファソラ」
ハーモニックマイナー「ラシドレミファソ#ラ」ソが#になる
メロディックマイナー「ラシドレミファ#ソ#ラ」ファとソが#になる(下る時はナチュラルだと教科書などには書いてある)曲を構成するにあたって重要な和音I(ラドミ)、IV(レファソ)、V(ミソシ)は、ラシドレミファソラのスケール音によれば全部マイナーコードになります。しかし、実際のマイナー曲ではV(ミソシ)はしばしばメジャー(ミソ#シ)で演奏されます。Am(ラドミ)、Dm(レファソ)、E(ミソ#シ)の和音を適当な順番で鳴らしてみよう。あなたに演歌の心があれば、泉のようにメロディーがわいてくることでしょう。
放映 | タイトル | 作曲 | |||
'66 | 魔法使いサリー | 小林亜星 | 一部だけメジャー | マイナー | メジャー |
'69 | アタックNo.1 | 渡辺岳夫 | 最後だけメジャー | マイナー | メジャー |
'70 | 魔法のマコちゃん | 渡辺岳夫 | マイナー | マイナー | メジャー |
'73 | キューティーハニー | 渡辺岳夫 | ときどきメジャー | 両方あり | 両方あり |
'74 | 魔女っ子メグちゃん | 渡辺岳夫 | マイナー | 両方あり | 両方あり |
'78 | 魔女っ子チックル | 渡辺岳夫 | 肝心なところでメジャー | マイナー | メジャー |
マイナーの曲は比較的少ないのです。渡辺岳夫はマイナーばかり作曲していたのではなく、メジャーもたくさんあります。こうして並べてみると、マコちゃんのド演歌ぶりが明瞭です。また、ハニーとメグちゃんは制作と歌手だけでなく、音楽的にも関連があることがわかります。時代とともに変化して複雑になっていることに注目してください。余談ですが「原始少年リュウが行く」のイントロでは、Vのマイナーが堂々と使用されます。まさに原始的なのです。