無敵鋼人
ダイターン3


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TVA 無敵鋼人ダイターン3


放映:名古屋TV 1978/06/03〜1979/03/31(全40話で再放送が4回、計44回放送)
東京での放映日1978/06/02〜1979/03/30
監督:富野喜幸(現:富野由悠季)
音楽:渡辺岳夫、松山祐士
原作:矢立肇、富野喜幸
製作:日本サンライズ

内容:「火星より襲いくる邪悪な改造人間集団メガノイドに敢然と立ち向かう快男児、その名は破嵐万丈!無敵のロボットダイターン3を駆りアシスタント達とともにメガノイドとの死闘を繰り広げる!愛とアクションとコメディが満載の異色のロボットアニメ・無敵鋼人ダイターン3にカムヒア−!」
バンジョーさん 2002/04/18


カムヒア!ダイターン3 OP

作詞:日本サンライズ企画室
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:藤原誠
SCS-424,CX-7002,CC4540~1,COCC-70065,KICA-597~8

 藤原誠が高らかに歌い上げる、SFロボットアニソンの定番。カッコよさ抜群のイントロに続いて、歌詞は出だしから浪漫過剰で、メロディーも後先考えずに舞い上がる!。いや、モチロンちゃぁんと考えてあるけどネ。
 最初のヤマ場「カムヒア!ダイターン3、ダイターン3〜♪」の後のベースの動き「V、VI、VII♭、V」に注目です。この部分はベースだけでなくコードが変わっていきます。次のヤマ場「消えるとも〜♪」の後のベースはわかりやすくて「V、IV、III、II」で「輝く♪」の「I」に続きます。「V、IV、III、II」の間は響き自体は変わらずに、ずっとドミナント的に思われます。実際は「も〜♪」の5拍目と6拍目はトニックみたいです。

 なにぶん無楽な者が書いていますので間違っているかもしれません。誤りがわかったら修正します。このように難しい歌なので(ごまかしてる)、カラオケで唸る前にはよく練習しておこう。

 松山編曲は定評あるストリングスに加えてブラスも華やか。もっともっと予算をかけても良かったが、なんといってもパーカッションが効いているのが嬉しい。イントロはトロンボーンとトライアングルだけなのに、あれほど空間の広がりを感じさせるのは何故?。


トッポでタンゴ ED

作詞:日本サンライズ企画室
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:こおろぎ'73
SCS-424,CX-7002,CC4540~1,COCC-70065,KICA-597~8

 遊び心に満ちた作品、ダイターン3。エンディングはこおろぎ'73のコミカルな歌です。この歌は何かの楽器で演奏してみよう(メロをたどるだけでも良いです)。意外な格調の高さを発見するでしょう。でも、あんまりタンゴっぽくないぞ。


EP SCS-424「ヒア!ダイターン3/トッポでタンゴ」(廃盤)
CD COCC-70065「テレビアニメスーパーヒストリー 17」




推奨盤
CD KICA-597~8 無敵超人ザンボット3&無敵鋼人ダイターン3総音楽集


音楽:渡辺岳夫、松山祐士(他にイメージソングを収録)

 企画とセールスの都合からか「ザンボット3」とのカップリングであるが、両作品にそれぞれタップリCD1枚ずつをあて、税込3800円の大サービス価格。これでもかとばかりにダイターンのすべてを収録しまくっただけなく、48頁のライナーに作品解説・楽曲解説・インタビューが盛り沢山。日輪の輝きを恐れる者は必ず必ず購入すべし。

 主題歌フルサイズはもちろん、TVサイズとカラオケも収録。さらにキングのカバー版で堀光一路が歌う「カムヒア!ダイターン3」とザ・ブレッスン・フォーの「トッポでタンゴ」も収録。さらにさらに「ザ・ロンゲスト・ロード・イン鈴置洋孝・破嵐万丈」よりイメージソングを5曲収録している。これらはすべて詩:井荻麟、作曲:井上忠夫、編曲:宮川泰で、歌は鈴置洋孝と間嶋里美(1曲)である。最後のトドメに第1話からMEトラックを収録。これにてお腹一杯。

 このCDに収録されたダイターン劇音楽は通常のステレオとは異なり、RチャンネルとLチャンネルから別々の音が流れ出す。これはアレンジの勉強になる。予算の関係でブラス楽器が少ないくせに、ものすごい広がりを感じるぞ。ヘッドフォンで聴くと特に不思議な感じがするが、自分がスタジオに中央に押し入って左右に奏者をいただく場面を想像すれば良い。どうしても妙に感じたら、RLスピーカーを近づけて配置するかミキサーで混ぜること。混ぜてCDに収録してしまったら、もはや分離できないからこれでイイのだ。


あれが噂の快男児
M-11
 毎回必ず演奏されるおなじみのマーチだ。SFといえばお約束の五度上行ですが、ひと味違った展開で勝負じゃ。ベース・ギター・ドラムにトロンボーンが加わったリズムは軽快にしてかつ重厚。ブラスの人数は極少なれど、そこにまた風情があるというものだ。
 AmからDを経て、さんざん期待させてから鳴るトランペットの音程は「G〜GD〜」であって、「C〜CG〜」ではないことに注意しよう。この部分はドミナントとしてのコードGを続けているか、あるいは4小節もあるからGのミクソリディアンと考えるべきか(後半2小節は「モード」感があるし)。肝心なのは、単なる「ド〜ドソ〜」ではないこと、「スターウォーズ」(作曲:ジョン・ウィリアムス)の猿マネではないことです。

M-10
 クールなテーマ。バッキングはさらにクールで「ばっっば    ばっばっ    ♪」。AmとDを繰り返すと上品でオシャレです。同じパターンでも、「ザンボット3/戦い2」は殺伐としているのが不思議です。展開部はフルートの華麗なるソロ。


ダイターン3の名のもとに
M-9
 「ばっっばっば〜 ♪」無理矢理リズムを表現してみました。M-16もそうですが、これらの繰り返しに毎週毎週ワクワクさせられるのです。「C、E♭、F」を繰り返して、Gで一区切りします。このE♭はAの裏コードになっており、ラスカル劇伴などに登場するヨクアリの「C、A、Dm、G」に似ています。ラスカルの裏がダイターンですか?。

M-8
 いわゆるテーマアレンジですが、バックのアコピが「ぐしゃぁ」と凄い音です。この不協音が、ブラスの爽快さを際だたせています。


別離 M-41
 チェンバロ音色(エレキギターに思われる)で淡々と奏でる、もの悲しくも美しい音楽だ。「FM7|Em7|FM7|Em7|Gm7|B♭M7|E7|E7」不正確かもしれませんが、いろんな楽器で演奏してほしいので全部書いておきます。もはや趣味がバレバレですのう。


 SFモノならブラスをずらっとならべて、ホルンもたくさん欲しいと誰しも思う。ダイターンで多用されるのは、ブラスの「ぷわぁ♪」と音程が下がるやつと、裏々「んぱんぱ〜♪」のリズム。両方とも以前から聴かれたパターンだが、ダイターンで集中使用したと思われる。ブラスの人数が少なくても、サックス群がなくてビッグバンドにもなってないけど、それでもダイターンはカッコ良いのだ。「赤かぶ検事奮戦記/ミステリー劇伴」のような、調を変えながら一定パターンをくりかえす曲もみうけられる。




CD KICA-2140 無敵超人ザンボット3&無敵鋼人ダイターン3


音楽:渡辺岳夫、松山祐士

 物足りない一枚である。「無敵超人ザンボット3」とのカップリングはやめて、単独発売して欲しかった。
 劇伴の曲目解説とアルバム収録内容が一致しておらず、支離滅裂な解説になっている。「アルバムの原稿をそのまま再録させていただきました」という、わけのわからぬ言い訳が書いてある。このままでは、せっかくのMナンバーがタイトルと結びつかない。そこで収録劇伴のすべてを以下に列挙して示す。Mナンバーはコロムビア盤を参照して付した。


カムヒア!ダイターン3

作詞:日本サンライズ企画室
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:堀光一路

 版権の関係だろうが、OP・ED主題歌がカヴァー録音である。しかし恐るべきことに「TVとは別の人が歌っています」とは、どこにも書いていない。よく見ると「オリジナル・サウンドトラック、」と書いてある。これは一種の詐欺的な商法である。まっとうなサントラ盤を自社で発売できないのなら、他社と協力するなどの工夫がほしい。それが不可能な場合でも、企業として守るべきモラルがあるはずだ。
 しかし音楽自体は決してまがいものではない。堀光一路は堂々たる歌唱で、正副主題歌だけはステレオで聴けます。バックのシンセやギター音色などがコロムビア盤と異なっています。「日輪のかがやきを胸に秘め♪」の直後のドラミングなど、演奏全体はこちらがナイスなほどである。でもティンパニの定位は左のほうが好きじゃ。


アシスタント

美しきアシスタント B M-18
美しきアシスタント A M-21
美しきアシスタント C M-6


コマンダー

メガノイドの策謀 A M-31
メガノイドの策謀 B M-33


破嵐万丈

あれが噂の快男児 A M-11


マッハアタッカーGo! A M-16
華麗なるコマンダー B M-39


マッハアタッカー

あれが噂の快男児 B M-10


マッハアタッカーGo! B M-35


ダイターン3

ダイターン3の名のもとに A M-9
ダイターン3の名のもとに B M-8


メガボーグ

華麗なるコマンダー C M-36
メガノイドの策謀 C M-32
ダイターン3の名のもとに C M-14


コロス

華麗なるコマンダー A M-38
火星の牙城 A M-15
火星の牙城 B M-34
別離 M-41(解説には「別離のとき」と記されている)


トッポでタンゴ

作詞:日本サンライズ企画室
作曲:渡辺岳夫
編曲:松山祐士
歌:ザ・ブレッスン・フォー

 こちらもTVとは別の人が歌っています。「そしてそして、ひろがる夢は♪」がソロなので、違いが際だちます。このアルバムでカヴァー収録になっている経緯をもう少し詳しく調査したいです。この場合は楽曲そのものの使用は認められたわけですが、藤原誠の盤をキングから発売することだけはならん、ということなのでしょうか?。




LP CX-7002 TVオリジナルBGMコレクション 無敵鋼人ダイターン3(廃盤)


 OP主題歌はレコードサイズとTV用を、ED主題歌はTV用を収録している。他に劇伴をたっぷり収録している充実の一枚であるが、モノラルなのが残念。このコロムビア版はキング版に比べ収録曲数が大幅に増えています




CD CC4540~1「ロボットアニメ大全集 2」
 ダイターンに関しては、今でもなんだか版権についてイロイロあるようです。「ロボットアニメ大全集VOL.2」のジャケットにもダイターンだけいません。


LP K25A-102「ザ・ロンゲスト・ロード・イン・鈴置洋孝・破乱万丈」
 「ダイターン3」にイメージソングがあるようです。なべたけ先生には無関係(詩:井荻麟 曲:井上忠夫 編:宮川泰)ですが。井上忠夫といえば井上大輔のこと。劇場版ガンダムを思い出してしまいます。
「Banjoe」「眠りの前に」「Beyond The Gun Sight」「薔薇色の女たちよ」(鈴置)
「ハッシャバイ」(間嶋里美)
mioさん 1998/12/20 HOMEPAGE




ばばっばっばっば、ちゃ〜んちゃん!

 主題歌「カムヒア!ダイターン3」はGメジャーです。イントロの終わりは、おなじみの「ばばっばっばっば、ちゃ〜んちゃん!」ですが、後半のコードは「B♭7〜D!」として歌メロ頭のGへつなぎます。イントロ最後のコードD(7)はドミナントに相当し、歌メロ頭に続く宿命を背負っているのに、「イントロの終わりだぜ!」という爽快感が得られる。
 管理人の解釈では、イントロはDのミクソリディアン(DEF#GABCD)です。そして「ちゃ〜んちゃん!」のコードは「B♭7〜D!」であると考えました。Dをキーとしたときに「VI♭7、I」となります。この後Gメジャーに転調するので、Dは新調から見てドミナントです。
 この理屈からいけば、間奏で再びDのミクソリディアンに転調していることになります。たぶん「ばばっばっ・・」からだと思いますが、「ここで転調した!」という感じはあまりしませんね。スケールの音がいっしょですから。
 「スターウォーズ」(作曲:ジョン・ウィリアムス)のストリングスのメロと比較すると面白いかも。「ダイターン」の「DE、G、A、C」に対して、「スターウォーズ」は「D〜CB〜♭AG〜FE〜D(移調)」と下がります。

 LP CX-7002「TVオリジナルBGMコレクション 無敵鋼人ダイターン3」に収録のアイキャッチ音楽「さあCM、さあ後半」(M-1)は、主題歌イントロの終わり部分をアレンジしています。「ばばっばっばっばちゃ〜ん」の音程が「CD、F、G、B♭C〜」になっていることに注目してください。
 歌がGメジャーなのを、渡辺劇伴の常道Cメジャーに移調すると、この音程は「GA、C、D、FG〜」となって最後のベースはE♭になるはずです。ところが実際のアイキャッチは、最後のコードがA♭7(だと思うが、Fm7/A♭かなとも思っていた)になってその次にコードCを期待させています。だからM-1はCのミクソリディアンだと考えます。

 ちなみに、M-9のイントロ音程は「GA、C、D、F、G〜G!」となって最後のベースは「E♭〜G!」です。その後G→Cのドミナント・モーションで転調します。以上の考察は偉い人に相談していませんので、トンチンカンかもしれません。話半分にしておいてください。ミクソリディアンなんて大嘘かもしれません。




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