公開:東映 1980/01/19
監督:川野泰彦
音楽:渡辺岳夫
原作:梶原一騎、高森真士
製作:三協映画内容:全世界での極真空手の活動を描いた、一種のプロモーションである。しかしドキュメンタリー調のていねいな絵づくりと、上品なエンタテインメント性をともなった演出で見せる。後半は世界大会の模様を記録している。ゴッド・ハンド大山と熊殺しウィリーも登場。「地上最強のカラテ」「同 PART2」と、空手三部作をなす。総監督:梶原一騎である。
ラブ・テーマ作詞:中里綴
作曲:渡辺岳夫
編曲:小谷充
歌:丹羽恵子
06SH-705「ラブ・テーマ」は挿入歌としてタイトルにクレジットされているが、ビデオで見た映画本編には登場しません。丹羽恵子が歌うオトナのポップス歌謡で、この曲はEPのB面です。EPのB面とくれば、何の遠慮もなく高純度のナベタケ節が展開されるのだ。この曲を聴いただけでは、とても格闘技映画のレコードとは思えませぬ。
この歌はLP 25AH-927にも収録されているが、ナレーションがカブさってしまう。しっかり聴くにはEPしかありません。
オープニング
イキナリ特撮宇宙空間。大仰に始まるが、すぐ特訓場面に切り替わる。
タイトル
マス・大山らしき人物が現れて、ブラスがド派手に鳴り響く。ここは短く終わって、すぐに主題曲が演奏される。
メインテーマ・愛の架け橋作曲:渡辺岳夫
編曲:渡辺岳夫
06SH-705ド派手なタイトルに続いて、意外にも静かに始まる音楽だ。中盤のBメロからコーラスやコンガが加わって盛り上げるのは、ビル・コンティの「ロッキー」でおなじみの格闘路線。渡辺岳夫は、いっそうハートフルなのだ。EP収録版はABAの形式だが、映画ではABのみ演奏される。派手なまま終わるので、なおさら「ロッキー」みたいだぞ。
Cメジャー調のAメロは、実はこれもビル・コンティに似ているようです。このAメロは「・・前半略・・|C/E|Cm/E♭|D7sus4|Gsus4、G」(やや自信無し)と展開し、BメロではFメジャーに転調して「B♭M7|Am7|B♭M7|Am7」と始まる。ABA形式で、Bメロで転調して得意の「IVM7|IIIm7|IVM7|IIIm7」をぶちかますのは、「妻たちは」「南太平洋の想い出」と共通したパターンだ。しかし決してワンパではなく、それぞれの曲で別々の進行をするのです。
Bメロの終わりは「Gm7、FM7、Em7、D♭M7」をウラウラで鳴らして下降するパターン。最後のD♭M7は長くのばして、再びCメジャーへと愛の橋を架ける。
本編劇伴
音楽は主に訓練の場面で流れ、「地道な努力」を強調する。組み手の場面に音楽はないが、スロー再生の絵にかぶさって短くアクセントをつけている。
LP 25AH-927に収録された音楽には「イスラエルよ永遠に」「最強の男たち」「愛の架け橋パート2」「敗者へのレクイエム、そして復活」といったタイトルが付されている。いずれもナレーションがカブさってしまうのが残念。
EP 06SH-705「最強最後のカラテ:メイン・テーマ 愛の架け橋/ラブ・テーマ」LP 25AH-927「最強最後のカラテ」