ハロー!
サンディベル


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TVA ハロー!サンディベル


放映:TV朝日 1981/03/06〜1982/02/26(全47話)
監督:設楽博
音楽:渡辺岳夫
原作:神保史郎
製作:東映動画

内容:スコットランドの片田舎で暮らすサンディベル(山本百合子)は明るく活発な、街の人気者。 花園のプリンスことウエリントン伯爵家の一人息子・マークとひかれ合うが、ウエリントン家は破産し、マーク自身も画家になるために家を飛び出してしまう。サンディベルの父であるクリスティも病に倒れ、「ロンドンに行き、カーン・ロンウッドをたずねなさい」と言い残して息を引き取ってしまう。懐かしい故郷をあとに、ロンドンに旅立つサンディベルを待つものは? そして、父クリスティのいいかけた実の母に会う日はくるのか?
バンジョーさん 2005/06/19 HOMEPAGE


ハロー!サンディベル OP

作詞:三浦徳子
作曲:渡辺岳夫
編曲:久石譲
歌:堀江美都子、ザ・チャープス
CK-595,CC-4431~2,COCC-12840~1,CC-4429~30,72CC-2651~3,COCC-70070

 おまたせしました。「ララベル」に続く東映動画の「サンディベル」では、渡辺岳夫がメインです。「嬉しいことが・・・大好きよ♪」のメロディーはまぎれもない岳夫ソング。このOP主題歌もずいぶんオシャレですが、これでもTVの前で女の子たちがいっしょに歌えるよう配慮してあります。すなわち、このページで紹介する歌のなかでは一番カンタンなのです。でも久石譲の編曲は目一杯で、童女にも容赦しません。七色のフィルインと激しいリズムでベースは「うぺうぺ」エレキは「てけてけ」。


白い水仙 ED

作詞:三浦徳子
作曲:渡辺岳夫
編曲:久石譲
歌:堀江美都子、こおろぎ'73
CK-595,CC-4431~2,COCC-12840~1,CC-10253~4,72CC-2651~3,COCC-70070

 にぎやかなOPから一転して優雅なED。この後ブレイクする久石譲の個性が前面にでていると言ってよいでしょう。ミッチは楽譜に書かれているだろうリズムとは、少し変えて「うたって」います。こおろぎ'73のコーラスが虹色に輝きます。


ゆめみてワルツ

作詞:神保史郎
作曲:渡辺岳夫
編曲:久石譲
歌:堀江美都子、ザ・チャープス
CZ-7113,72CC-4677~9

 なべたけ挿入歌恒例の三大パターンのひとつ「ワルツもの」です。残りふたつは音頭とタンゴですが、「音頭もの」はオシャレ度が低いので女の子向きではありませぬ。
 さて、この曲は「ワルツ」とはいうものの、リズムに細工がしてあって、ずっと単調な三拍子ではありません。その細工が作曲と編曲の二段階でなされており、渡辺&久石のみごとなコラボレーションという趣です。ある有名なメロディーを引用していますが、タイトルを思い出せませぬ。


サンディベル号にのって

作詞:神保史郎
作曲:渡辺岳夫
編曲:久石譲
歌:堀江美都子、ザ・チャープス
CZ-7113,72CC-4677~9

 サンディベル挿入歌中、最も豪華なアレンジで、ストリングに木管もフィーチャーする久石得意の編曲です。中盤の「長いくつした色ちがい♪」の部分がコリすぎていて、幼女にはとても歌えませぬ。たぶんお母さんにも歌唱不可能でしょう。ヘタなラジカセで聴くとアレンジの成分がくまなく聴こえないので不自然に感じられることも。「長い♪」のコード感が「くつした♪」までもちません。もちっとわかりやすく編曲してくれても良さそうな。


風に負けないで

作詞:神保史郎
作曲:渡辺岳夫
編曲:久石譲
歌:堀江美都子
CZ-7113,72CC-4677~9

 おぉ、これが・・これこそ渡辺サウンドの神髄であります。「風にも・・・ひとりぼっちのときも♪」のメロディーが'80年前後のなべたけ絶頂期を象徴しているのです。勝手な好みで言うと「・・のときも♪」の「き♪」から「も♪」にかけては、上行ではなく下行にしたほうが好き。
 久石編曲は絶好調。今回の間奏は、ジャジィなビブラフォン。曲の後半はベースといいドラムといい、どこからどう聴いてもフュージョンそのものです。しかし、このリズムはウマすぎる。げせん。演奏者の詳細をご存じの方は教えてね。


あの人がママなら

作詞:神保史郎
作曲:渡辺岳夫
編曲:久石譲
歌:堀江美都子
CZ-7113,72CC-4677~9

 やっと普通の歌が登場。おなじみのワルツ・・と思わせて、歌の途中でふいに四拍子に変わります。それも、ごく自然に!。おいおい、いくらなんでもサンディベルはコリすぎです。目がまわります。


ビバ!!サンディベル

作詞:三浦徳子
作曲:久石譲
編曲:久石譲
歌:堀江美都子、こおろぎ'73、コロムビアゆりかご会
CZ-7113,72CC-4677~9

 ついに登場、作曲編曲:ジョー久石です。「ララベル」にはマーチがありましたが、こちらは本格ミュージカル仕立てです。ミッチが歌いながら笑ったりして、サウンドも色豊か。圧巻は何小節もかけてのテンポアップです。やはりこの演奏者、タダ者ではない。一糸乱れぬドラム・ベース・ギター、ウマすぎです。


しあわせをあなたに

作詞:碓氷夕焼
作曲:久石譲
編曲:久石譲
歌:堀江美都子、ザ・チャープス
CZ-7113,72CC-4677~9

 演奏は、やっぱりフュージョンしております。TVA「愛してナイト」の久石編曲でもベースはコッてますが、ドラミングもふくめて演奏はまるで違う。「サンディベル」の演奏には特別なものがあります。いったい誰がレコーディングしたんだろ?。
 曲のつくりとしては、これが一番まとも(コリ様が低い)です。しかしコーダではしっかり転調カマしてます。いったいどんな制作者がここまでの好き勝手を許したのでしょう?。←誉めてるのです。


いまになって・・・

作詞:神保史郎
作曲:渡辺岳夫
編曲:久石譲
歌:山本百合子
CZ-7113(B面2曲目)

 サンディベル役の山本百合子が歌います。曲の中盤で「ハロー!サンディベル/あの人がママなら」と「マイ・ウェイ(作曲:J.Revaux,C.Francois)」の一節が、かなり堂々と出現します。他にも元ネタがありそうです。一撃でバレるような引用や使い回しは比較的珍しいです。ストーリーの面でに「マイ・ウェイ」の必然性があったのかも。
 それはさておき、歌そのものは優しくて素敵です。後奏は「あの人がママなら」の歌メロラスト部分「この胸が・・♪」を、ストリングスが美しく奏でます。


きみとまたあう日まで

作詞:碓氷夕焼
作曲:渡辺岳夫
編曲:久石譲
歌:岩淵まこと
CZ-7113(B面3曲目)

 歌詞の内容およびLP CZ-7113での曲順からみると、この歌は「いまになって・・・」に対する返歌だと考えられます(作詞者は別ですが)。つまり対話になっているんですね。
 B2はサンディベル声優の山本百合子嬢が歌っているので、B3は本来ならマーク役の塩沢兼人氏が歌うべきだったのでしょう。それを岩淵まこと氏が歌っているということは、何か問題があったのでしょうか(歌唱力か?)。
 この時、山本百合子嬢(今はどうしてるのだろう)は「もっとアップテンポの曲を歌いたかった...」となべたけ氏に話したといいます。そして数年後主演した「レディジョージィ」では念願のアップテンポなべたけ曲を歌うことができたのでした。
MITSURUさん 1997/11/06 MAIL


 序盤のメロディーは、フレーズの節々の動きがなべたけ的でジ〜ンときます。実は「テンプルちゃんの小公女/私の小公女」('79年)をちょっと使い回しています。そのバックはピアノがたんたんと和音を打ち出してすがすがしい。同じ部分でも2番ではハモニカや「くお〜ん」と鳴るギターが加わって変化をつけている。
 でも後半はサラっと終わってしまう感じで、やや物足りない。ワンコーラスの短さを補うかのように3番まである。




LP CX-7087 CC CAY-605(廃盤)
CD COCC-72030(ANIMEX1200)
TVオリジナルBGMコレクション ハロー!サンディベル


 TVサイズのOPとED主題歌の他、劇伴をたっぷり収録。劇伴数曲を1ブロックにしてタイトルを付けてある。ここにはその一部を紹介する。紹介していない曲は「つまらない」というわけではなく、たまたま何も書いていないだけです。皆さんの投稿を待っています。


オープニング
アイキャッチ
ハロー!サンディベル(TVサイズ)
 一番のみの演奏で、エンディングはあっさり終わる。


あの子は緑の風の中
A-6
 OP主題歌のインストアレンジ。この豪快な歌をそのままインストで演奏すると、不自然になるかもしれない。このBGMコレクションには、他にもOPアレンジが収録されている。「すなおなあなたが大好きよ♪」に相当する部分で、「あなたが♪」をオクターブ下げたり、「大好きよ♪」のメロディーを「FEDCD♪」に変えるなどしている。


白水仙の待つ丘
G-4
 OP主題歌のインストアレンジ。こちらのアレンジでは、主題歌メロに大幅な変化をつけている。

H-5
 弦楽(本物)合奏によるワルツ曲。


さようなら森と湖の故郷(ふるさと)
B-3
 ED主題歌のインストアレンジ。テーマはマンドリン。「サンディベル、サンディベル♪」に相当する部分からは静かな、しかし情感があふれるギター。

E-2
 ハープシコード的音色〜中盤から加わる本物ストリングスの物憂げなテーマは、後半で劇的な展開を見せる。


ロンドンの第一夜
B-2
 ED主題歌のインストアレンジ。ピアノメロ〜フルートと生弦〜後半はマンドリン。バックはギターのアルペジオ。


巣立ちゆく夏の娘たち
G-13
 生とシンセの弦が「FM7、Em7、Gm7・・・」とコードを奏でる。メロディーは特にないのだが、和音が鳴るだけで美しい音楽だ。だんだん上がったり下がったりするパターンは、他番組の劇伴でも見受けられる。G-26にも特徴的な進行がある。


レッツゴー!花の少女記者
I-11
 「天才バカボン/M−108」にそっくりです。10年ぶりの使い回しでしょうか。


パリの地下水道は愛の迷路
M-13
 このセクションには焦燥感を煽る曲が多いが、このM-13は「パターンの繰り返し」「グィロの使用」という、なべたけミステリ劇伴の代表選手。他にもパターンの繰り返しで、「ジョーズ/メインタイトル」(ジョン・ウィリアムス)の「ずんずんずんずん♪」という趣きの曲もある。


さようならサンディベル幸せを永遠(とわ)に!
G-21
 これもテーマアレンジだが、もっとも凝ったメロ展開をする。

H-4
 エレキ系なしで、オーケストラ編曲になっている。弦と木管主体の演奏だが、人数が少なくてチョット残念。でも上品♪。


エンディング
白い水仙(TVサイズ)
 一番のみの演奏で、エンディングはフルサイズよりもさらにあっさり終わる。

アイキャッチ


 本物のストリングスは、やや人数少な目だが美しく響く。他にシンセストリングスの音色と、アコーデオン的なストリングス系音色がある。アコーデオン的な音色にはマンドリンが混ざってくるが、これは昔からの編曲手法。生弦にマリンバのロールは、おなじみの手法。
 なお、このBGMコレクションの各曲の記号は、A,B,E,F,H,G,I,K,M-数字で記されている。




EP CK-595「ハロー!サンディベル/白い水仙」(廃盤)
LP CZ-7113「ハロー!サンディベル 歌のおくりもの」(廃盤)

CD CC-4431~2「渡辺岳夫、テレビ映画・アニメ主題歌作品集」
CD COCC-12840~1「渡辺岳夫、テレビ映画・テレビアニメ主題歌作品集」
CD CC-4429~30「続々々・テレビまんが主題歌のあゆみ」
CD CC-10253~4「続々々・テレビまんが懐かしのB面コレクション」
CD 72CC-2651~3「堀江美都子 歌のあゆみ 4 輝けるアニメの女王」
CD COCC-70070「テレビアニメスーパーヒストリー 22」


推奨盤
CD 72CC-4677~9「堀江美都子 歌のあゆみ 5 歌は心にこだまする」
 「こども名作劇場」「森のトントたち」、そしてこのページで紹介したミッチの歌うサンディベル挿入歌を収録しています。なべたけ関連以外でも、久石譲の作品を堪能できます。なお、サンディベルのOP・EDは第4集に収録です。




ジョーうぺうぺ

 東映動画の前作「ララベル」にひきつづいて登場の久石譲。「ララベル」が好評だったのか、「サンディベル」では一手に編曲を手がけた。'80年前後といえば、日本フュージョンの老舗・カシオペアがデビューした時期(1stアルバムは'79年)である。ザ・スクエアの台頭でフュージョンが一般に浸透するのは、さらに数年後である。'80〜'81年当時、カシオペアは音楽シーンの最先端をゆくバンドであった。

 しかしカシオペア櫻井哲夫のチョッパーベースが「うぺうぺ」いいはじめたころ、実はお茶の間TVのボロいスピーカでも「うぺうぺ」していたのであった。久石ジョーはその後「うぺうぺ」から一転、優雅なオーケストラによる「風の谷のナウシカ」'84を作曲。




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