1、ドラゴンの製造工程   ドラゴンの製造過程を少しだけ教えましょう。噴出花火の行程はどこの製造業者さんもほとんど同じで、火薬の製造方法や配合や部品が違うだけです。それと企業秘密の構造です。構造に関しては、日本煙火協会の検査所に登録してありますのでオープンになっています。
まず流れですが、火薬の配合→てん薬→プレス→導火線付け→乾燥→化粧箱入れ→梱包となるわけです。

       今回は、火薬の入っている内筒の製造工程について説明いたします。


1-1、配合した火薬をパイプに入れているところです。

 決められたマスを使ってパイプ1束ずつに火薬を入れていきます。このマスで装填する火薬の量を調整します。2度変化、3度変化するものは、このようなマスを使って、異なった火薬を入れていくのです。
 体積によって火薬量を計っていくという方法をとっていますので、製品ひとつひとつの火薬の量が少し違ってきますが、5%の誤差にとどまっています。当然薬量をオーバーしないように管理はしています。

 

  


 

 

1-2、型にはめて底込みのパッキンを打つところです。


 パッキンを打つと同時に火薬をプレスします。このプレス加減で、噴出力や燃焼時間が変わってきます。
 この作業は火薬に衝撃を与えるので、危険な作業のひとつです。幸い噴出花火の火薬は(自社のもの)は、衝撃感度が低いのでエアープレスにて行っていますが、足踏みの機械を使うこともあります。
  


 

 


 

1-3導火線を内筒に差しているところです。

 導火線はひとつひとつ手で差していいきます。導火線に伝火薬(導火線の火を噴出用の火薬に引火するための火薬)を着けて、挿入する深さを考えて差し込んでいます。これも熟練した技や経験が必要です。
 一人で一日に5千個が限度です。機械では制御できないことがたくさんあります。
 

 

 

 
 

 


 

 

 

  

 火薬の配合のほかに以上の行程が噴出花火の一番大事なところです。
ここまで済めば、後は化粧箱に詰めて出来上がりです。
 下記の構造図は「ドラゴンエース」の構造図です。すべて可燃性の素材(可燃ゴミとして処理できるように)です。とてもシンプルですが、いろいろなところに経験的なものが含まれています。
 たとえば、パイプの厚みですが、花火の現象が終わるまで耐えることのできる厚みにしてありますし、火薬に対する密閉度が高すぎると万が一の時破裂してしまいますので、裂ける方向を横方向でなく、噴出口方向とその反対の底止め方向(上下方向)に弱くして大きな破裂をしないように設計してあります。ですから、手に持ったりのぞき込まないようにしてください。
 「ドラゴンエース」は、二色込みになっていますので、途中で現象が変化します。火薬1と火薬2は燃焼速度が違っていますので、とても変化します。
 おもちゃ花火でもいろんなことを考えて作っていますので、いろいろ感動してください。

 当たり前のことですが、花火の製造に関しては、火薬類の製造の免許と決められた製造施設がないと製造できません。遊び半分で花火の変造等行わないようにしましょう。火薬類取締法に触れます。


    

 構造はいたって簡単なものです。
どんな大きな噴出ものでも大体同じような構造になっております。


 

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