おもちゃ花火に関しての勘違い    


         

おもちゃ花火の「湿気ている」「酸化している」の違い

 よく「花火が湿気てるから火がつかない」とか言いますが、そんなときは、天日で1日干してみてください。
花火の湿気はその程度で取り除くことが出来ます。まず、そのような状態の時又は疑わしいときは遊ぶ前に
やってみてください。
 それでだめだというときは「花火の火薬が酸化している」ことになります。つまり火薬としての働きをしなく
なっています。この状態で火をつけようと思ってもつきません。
 酸化の理由は色々ありますが、火薬成分の一部に酸素供給剤として作用する酸化剤を中和するものが入っていると
このようなことになります。
 特に酸化剤がこのようになると粉薬だと固化したり、星だと割れています。 


         

おもちゃ花火の点火方法

  1.  他のページにもありますが、導火線の付いているものは、蚊取り線香や線香で点火してください。
     花火点火用のライターは、ススキ花火やスパークラーや線香花火など導火線の付いていないものだけにしてください。
    どうして導火線のものは線香などを使った方がいいのかと申しますと、導火線は点火されても細い火を噴くだけで
    あまり明るくありません。ライターの炎の明るさに比べれば数段暗いはずです。ということは着火したかしないか
    大変判断しにくくなります。また、導火線は、本体の火薬に付くまでの延時効果があります。導火線の先端に付い
    てこそその効果があるので、もし途中に付いてしまえば点火後すぐに発射したり噴き出したりしてしまいます。
     ということで線香を使って点火するように指示しているんです。

  2.  点火するときは、風上から行ってください。点火の時火の粉をかぶる可能性があります。
    また、ススキ花火を他のススキ花火で点火する方がいますが、そんなときは、向かい合って行わないでください。
    横に並んでするか、東を向いているなら北か南の方向を向いて行ってください。

 


おもちゃ花火の期限

 基本的にはありません。保存状態が良ければ何年でも大丈夫です。自社の「ドラゴン」で17年前のもの(非売品)
がありますが、ちゃんと火もつきますし、噴き上がります。理由はよく分かりませんが「線香花火は特に古い方が良さ
そうだ」という方もいらっしゃいます。
 保存状態がいいという条件は、湿度が低く、温度が低温でしかも定温であるところです。
日本家屋の押入なんかは、比較的これに近いものがあるんではないでしょうか?
 食品とは、全く違いますのでいっしょにしないでください。
賞味期限切れの外見での定義はほとんど出来ません。とにかく「酸化している」状態でなければ問題ありません。
 


おもちゃ花火の破損品

 一番の事故に繋がる原因は、破損しているものです。
ススキ花火で火薬の入っている紙筒が曲がったり折れているもの、細い打ち上げ筒が途中でつぶれているもの
など、明らかに消費に関して支障があるものは、迷わずやめてください。これで事故になることがあるんです。
 板に付いているセットものがあると思いますが、だいたいセロハンテープで留めてあると思います。セロハン
テープをはがすときは慎重に行ってください。この時の取り方が悪いと、火薬の入っているところが曲がったり
折れたりします。箱物の蓋が取れているとか、角がつぶれているというものは問題ありません。

 


おもちゃ花火の煙(後ガス)

 花火は当然、燃焼させていますのでいろんなガスがでます。
その中には水蒸気や炭酸ガスの他に硝酸系のものにはNOxやSOx、色火関係には塩素ガスなどが含まれます。
 硝酸系のものは、ほとんどのものに硫黄が入っていますのでSOxは必ず含まれます。温泉や「地獄谷」など
にいきますと花火の煙と同じ匂いがすると思います。これが同じものだからです。
色火剤の色が鮮やかにでるのも塩素ガスがあるからです。金属の炎色反応の実験の時に物質を塩素につけてから
ガスバーナーで燃焼させて発色させたことがありませんか?原理は同じです。
 花火あそびをするときは、火の粉をかぶらないようにするためと少しむせるような煙(後ガス)を吸わないよ
うにするために風上に立って遊ぶように指導しています。
 

 


おもちゃ花火の打ち上げ花火について

 打ち上げタイプの花火に「ふた」が付いていると思いますがどうされていますか?
説明書きに「ふたを取って」というものと「ふたをしたままで」という2タイプがあるはずです。
「ふたを取って」というものは、連発もので「星」が上がる力でふたを飛ばすことのできないものが多いようです。
又、「ふたをしたままで」というものは、一発もので「内筒」が上がる力でふたを飛ばすことが出来るもので、
たぶん、ふたを取っても差し支えないようですが、その分打ち上がる力が弱く低いところで開く可能性があります。
ふたをすることで筒内部の圧力をあげて高く上げるのです。
 遊ぶ前に、よく説明書きを読んでどちらのタイプかを確認してください。
 

 


おもちゃ花火の発火点について

 おもちゃ花火、特に黒色火薬系のものは一般に300度から390度といわれています。
例えば、自社の「ドラゴン」や打ち上げ花火の発射火薬などがそれです。たばこなどの一瞬の熱には、
反応しないので間違って火薬の上に載ったら速やかに退けてください。
 手持ちの花火で色が出る火薬は過塩素酸塩系の火薬で、一般には600度くらいが発火点といわれています。
これに樹脂系統のものが混ざっていたり、金属粉等が入っていると400度くらいになります。
 ですから、火薬本体は、300度以上にならないと発火はしません。でもあくまで熱源の温度がこれ以下でも
加熱し続けるとこれ以上になりますので、そこの当たりをご注意ください。
 例外として、着火剤にニトロセルロース系のものが使われているものがあります。
これは200度くらいが発火点ですので気をつけてください。
   

 


おもちゃ花火の処分方法

 買ってきたおもちゃ花火で、どうしても火薬の入ったものを処分しなければならないときは
下記の方法で処分してください。
1,多量の水を張ったバケツを用意する。
2,その中に、火薬の入っている部分をしっかり浸ける。
3,1週間以上そのままにして、火薬が包装容器から水に溶け始めたのを確認する。
  紙パイプだと膨らみ溶け始め、水が濁り初めれば大体いいいと思います。
4,濡れたままの状態で、土に埋めるか、可燃ゴミとして処分する。
(但し、可燃ゴミとして出せるかどうかは各自治体に聞いてください)

火薬の成分で、特に酸化剤は「お塩」とよく似ていて水に溶けます。それが分離されてしまえば
火薬としての機能を発揮しません。水に浸かった花火が燃えないのは、これが理由です。

   

 


おもちゃ花火の重さ

 よくおもちゃ花火を選ぶとき、手に持って重さを比べる人がいます。
これは大きな勘違いで、花火の薬量は多いものでも15gと法律で決まっています。
15gといえば1円玉15個分です。花火本体の重さはそれに比べるともっとありますので
あまり意味のないことです。ほとんどが他の部分の重さです。
 中国の噴出や打上ものの中に土が入っていてそれが火薬より重たいこともあります。
火薬量は本体に書いてありますのでそれを参考にしてください。

   

 


                      

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