第8回 あいさつの威力

 明けまして おめでとうございます。

今年もボチボチやって行きますので、お付き合いをお願いします。

 

 さて、みなさんのお正月はいかがでしたか?お正月に「おめでとう」ということに、何がめでたいのか?と斜に構えていたが、最近やっと「めでたい」と言う意味がわかったような気がする。

年に1度、1月2日に狭い我が家でぎゅうぎゅう詰めになりながら新年会をやる。年に1度しか逢わない友が4〜5人集まり、フライドチキンとカニを食べることがいつの間にか決まっていて、愚にもつかないくだらないことをしゃべりながら、カニを食べる時だけ静かになる。

今年もいつもの顔がいつものようにそれなりの年を重ねながらも生きていることを確認しあっている。

これこそが「めでたい」ことであるという確信が持てるようになった。

 

今回の「俺に言わせろ」は・・・

若い頃、外へ出始めた40年前、人と目が合うと照れくさくてどうしていいかわからなかった。ただ目を伏せて通り過ぎていた。そんな時、車いすを押していてくれたボランティアの人が自然に「こんにちは」と気軽に挨拶するのを頭の上で言葉が過ぎて行った。

挨拶をされた方も慌てて「こんにちわ」と言う言葉が返ってくる。二人ともいい笑顔で「いつかオレも自然にこんな挨拶が出来るようになりたい」と思った。

それからもなるべく人に声をかけようとするのだが、いろんなことを考えてしまう。声をかけて返事がなかったら、変な風に思われないか、こんな人なんか知らないというような顔をされないだろうか等など、今のオレからは考えられないほど気が弱かった。

年月は流れ、今は知らない人と道を歩きながら世間話をしている自分がいる。

人にはそれぞれ、そこに行くまでには時間がかかる。長い人もいれば、短い人もいる。オレは長い月日がかかってしまった。

障害を持った人が外へ出た時、人の目がとても気になる。そんな時、目を伏せてしまう。次は睨み返す。その次は微笑む。挨拶をしながら天気の話が出来る。そんな段階が必要なようだ。

今は毎日、通勤のため片道15分くらいの道のりを移動している。その間に何人の人に挨拶をしているのだろう。そしてされているのだろう。

 「お散歩ですか?」「お気をつけて」「お大事に」という言葉をよくはじめの頃は、声をかけてくれていた。きっと声をオレにかける方も勇気がいったのではないかと思う。最近では遅く帰ると「残業か?年なんだから無理するな」と言う言葉が平気で飛んでくる。

 何かやっと地域で生きている気がする。同じ地域で暮らす仲間として認めてもらうことが一番必要な、最も大切なことだと思う。それを実現するためには、常に「オレはここにいるよ」と言う意味を込めた挨拶を自分から出来る自分を作って行かなければならない。

 大きな声で「おはようございます」と言うと「おはようございます」という大きな声が返ってくる。大きな声を出しているうちに元気になってくるような気がする。

 ある人が「返事が返って来ない時は、神様のポケットに入ったと思うようにしている」と言う言葉を信じて、今日も大きな挨拶をして行こう。


 2015.1.9


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