NOVEL

ファラオの永眠

 

 数千年の時を経て、昨日、ファラオが眠りから目覚めた。
 魂は永遠であり、肉体に防腐処理を施しておけば、魂は肉体に帰る事が出来る。
 稚拙な東洋や西洋の文明では、数千年かかっても解明出来ないエジプト文明の技術の成果である。
 巨大な四角錐の中の特定の位置に発生するピラミッドパワーが王の魂を肉体に引き戻したのだ。

「う、むぅ…」

 王は包帯に包まれた体を起こした。…侍従がいない。
 目覚めの時には必ずついていなければならないのに…。
 王は少しあせった。まさか我が国が滅びた?そんな馬鹿な。

 やむを得ず、真っ暗なピラミッド内を、外に出るべく歩みだす。
と、ある地点で王は天井の軋む音を聞いた。
 見上げると、なんと天井が落ちてくる!!
 王の墓を荒らす侵入者への制裁の為に作ったしかけだったのだが…。

 

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