「おっはよーッ!!いい天気だにゃッ!!」
「おぅ、遅かったじゃ…げっ!何それ!?」
なんと、デートに遅れてやってきた俺の彼女の頭に、巨大な猫耳がのっていた。
「へっへーッ。カワイイでしょ?」
「は…恥ずかしいっ!!取れよ、おめーはぁ。」
「や・だ・にゃんッ!」
「その、『にゃん』ってのもよせ。ったくイイトシしてぇ。」
うざったいので、俺の手で取ってやろうと手を伸ばす。
「いたッ!痛い、痛いってばァ!!」
「何これ?取れね…あれ?」
…彼女の顔の横についてた、ヒトの耳が見当たらない。
彼女は…俺の視線の意味に気付いたのか、泣きそうな顔をしている。
「…今朝ね…、起きたら…こうなってたの…。」
「…。」
「カズちゃん…こんなアタシとデートするの…いや?」
なんて、目に涙ためて言われた日にゃあ、俺は…。
「な、何いってんだよ。そんなん気にしねーよ。」
「へへッ。そう言ってくれると思ってたにゃ。」
「けっ、泣きそうだったクセに。でも、せめてその『にゃ』はやめろよな。」
「えーっ。だってヤッパ猫耳ったら『にゃ』だと思うにゃ。」
こいつは…と思ったが、もうこれ以上反論しない事にする。
なんせ俺だって猫耳少女のマンガ描いてて(同人だけど)、それに「にゃ」って言わせてるし。
開き直った俺達は(彼女は元々喜んでるようにも見えるが)、いつものサ店に入る。
このサ店は俺の姉貴がウェイトレスやってて…
「な、な、なんだ!?その頭は??」
なんと!姉貴の頭から、スヌーピーの耳みたぃなのが垂れ下がっている!!
「あんた、何言ってんの。千代ちゃんだって猫耳じゃん。ねー。」
「ねー。」
「そりゃ…」
俺はそれ以上何も言えなかった。
店を出て、よく見ると街は…街中の女という女は…ヒトの耳をしていなかった。
鼠耳、豚耳、兎耳。あげく、触覚みたいなのが飛び出してるヤツもいる。
夕方、彼女を家まで送り届けた俺は、ダッシュで家に駆け戻った。
そして俺の部屋の戸を開けると…やはり。
…そこには、ヒト耳の猫、モモ(♀、2歳)がいた。
う〜ん、いみふめ(^^;。