怪奇!蛙少女!!の巻

 

 あれは小6の時、一学期の初日だった。
…三学期に一度も学校に来なかった啓子が登校してきたのだ。

「お!啓子じゃねーか!!」
「なんだよ、お前。トーコーキョヒかぁ?」
「トーミンしてたんじゃねーの?」

 クラスの男子が一斉にひやかす。
 啓子はボソッと答えた。

「うん、実はそうなの。」
「わー!ヘビ女だー!!楳図かずおだー!!!」
「…ううん、啓子…蛙少女よ…。」

 さっきまで騒がしかった教室が一瞬で静まりかえったのを覚えている。
 それは、異生物に対する恐怖などではなく、単にシラけただけだった。

 その静寂を破ったのは啓子の幼馴染み、真吾だった。

「つまらねー嘘つくなよ、サボリヤロー。」
「嘘じゃないよ。啓子、昔は手も足も無いおたまじゃくしだったんだから。」
「そんな嘘、俺には通用しないぜ。いつ、お前が手も足も無かったってんだよ!」

「おとうさんの中にいた時。」

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