これまでに一度も、有料道路の料金所で料金を支払った事が無い事を誇りとする男がいた。
彼の車は、違法な改造が施してあり、追われても絶対に逃げ切る自信があった。
今日も彼は料金所を突破すべく、アクセルを踏み込んだ。
これまでに一度も、無銭通過させた事が無い事を誇りとする料金所のお姉ちゃんがいた。
そんな彼女の元に、急激に加速しながら突っ込んでくる車が一台。
車は、料金を支払わずに、料金所を突破した!
お姉ちゃんは、ためらわずに、手元のドクロ型のボタンを押した!!
車は、料金所の先にあるトンネルの入り口の所で大破した!!!
トンネルは…突然降りてきた鋼鉄のシャッターに塞がれ…そこに突っ込んだ一台の車が元の形をとどめない状態で炎上していた。
”当店では、万引防止のため、商品に管理タグを取り付けております”
「これ、ホンマやろか?」
「ウソに決まってるやん。いちいち全部の商品にタグ付ける手間考えたら、一個や二個万引きされた方がマシやろ?」
「じゃ、お前試してみろや。」
「ええで。やったろやん。」
こうして二人組みの少年は…商品を隠し持ったまま、店の出口へ向かった。
出口を出たとたん、ぴーぴーぴーぴーぴーぴーぴーぴーぴーぴーぴーぴーぴー!
店中の客と店員の視線が二人に注がれる。
「やばっ!」
「走れっ!」
エスカレーターもエレベーターも使わず、階段を飛び降りるように駆け降りる二人。ビルを出て、脇の路地に入ったところで一息ついた。
「あーしんど。」
「まったく、なんでこんなしょうもないモンのためにあんなしんどい目みなあかんねん。」
「あれ?それって、時計なん?」
「へ?ちゃうで?」
「でも、なんかチクタクゆうてんで?」
ちっ、ちっ、ちっ、ちっ… ど か あ あ あ あ
あ あ あ あ あ あ あ あ ん!
二人の少年の体はバラバラにちぎれて、吹き飛んだ。
新型防犯用品「タグ型防犯爆弾」。万引対策の決定版です。