今回はパルボウイルス感染症についてお話したいと思います。ペットショップから我が家にやってきた子犬があっけなく死んでしまうことが多い、とても恐ろしい病気です。症状としては、まず2.3日前まではうるさいくらいに元気だった子が、元気がなくなってきたような気がします。便も柔らかめで、水ばかり飲んで、餌をやると、においは嗅ぐのですが食欲はなく、食べようとしたり食べた後、小さくえづいたりし始めます。気のせいかと思っていたら、1.2日後、突然全く食べなくなって、ひどい下痢をし、水を飲んでもすぐに吐くようになります。さらに症状が進むと独特の臭いのする、トマトジュースのような血便をします。血便による脱水がひどいと、体力がなくなり、死んでしまいます。血便が出てから動物病院を訪れる人が多いのですが、この病気は早期発見、早期治療だけが唯一の助かる道です。少しでもおかしいと思ったら、すぐに獣医さんに相談してください。また、パルボには生まれたばかりの子犬が突然死してしまう心筋性のパルボもありますが、こちらは気づいてあげるのはむずかしく、大事に至ってからわかることが多いようです。ワクチンで予防できますが、たとえワクチンを打っていてもうつることもありますし、成犬でもこの病気にかかれば、生死の境をさまようことが多いので、絶対に保菌犬(またはその便など)に愛犬を近づけないようにしてください。パルボにかかっている犬の便や嘔吐物がついたものは、塩素系の表示のあるキッチンブリーチなどの水溶液で消毒します。パルボウイルスはふつうの消毒では死なず、埃などに混ざって6ヶ月以上生き続ける、非常に強いウイルスですので、消毒も十分にして、ほかの犬にうつさないようにしてあげてください。
うちの小太郎は生後40日のポメでしたが、獣医さんにも95%の確率で死ぬといわれていたのがみごと生還しました。血便する前の早期発見がよかったというのもありますが、小型犬でも、子犬でも希望を持って看てあげてください。
|