封神演義 


8 「革命は成った」


さて、潼関の先には、通天教主が弟子たちとともに、万仙陣を敷いて待ち構えていた。申公豹も彼らに味方する。軍には誅仙陣の時と同様に十二大仙元始天尊太上老君、西方の準提道人接印道人が援軍に駆けつける。截教の門人たちは、ある者は正体を暴かれて西方に連れ去られ、またある者は殺されて封神台へとその魂が送られた。しかし軍も竜吉公主洪錦の夫婦が戦闘に巻き込まれて戦死してしまった。

切り札の六魂幡(りくこんはん)を持った長耳定光仙にも裏切られ、通天教主は窮地に陥るが、そこへ太上老君・元始天尊・通天教主の師である鴻鈞道人(こうきんどうじん)が現れた。彼は三仙を仲直りさせ、通天教主を引き連れて去って行った。ここに仙人たちの千五百年に一度の殺戒が終わったのである。十二大仙姜子牙に別れを告げ、それぞれの洞府に戻って行った。申公豹はと言えば元始天尊に捕らえられ、以前の誓い通りに北海眼に閉じ込められたのであった。

軍の戦いはまだまだ続く。次の臨潼関は難なく占領出来たが、その次のben.gif (128 バイト)(べんち)で苦戦を強いられた。ここを守るのは、張奎(ちょうけい)と高蘭英の夫婦である。張奎は地中に潜る地行術を身につけており、また独角烏煙獣(どくかくうえんじゅう)という、足の速い霊獣も持っていた。その張奎黄飛虎・祟黒虎たち五人の将軍が瞬く間に討ち取られた。独角烏煙獣sen.gif (125 バイト)の計略に始末したものの、今度は土行孫張奎に倒され、夫の仇討ちに出陣したtou.gif (132 バイト)嬋玉高蘭英の宝物・太陽金針によって討ち取られた。姜子牙は計略を立てて張奎をおびき出し、地中に潜る彼の動きを楊任掌中目で追い、韋護降魔杵(こうましょ)で討ち取った。城を守る高蘭英の方も軍の奮闘により討ち取られたのであった。

軍は孟津(もうしん)の地で諸侯の軍勢と合流した。紂王はと言えば、妲己・胡喜媚と復活した王貴人(玉石の琵琶の精)と相変わらずぜいたくに耽り、妊婦の腹を割くなどの残虐な行為を繰り返していた。

朝歌に至るまでに、更に袁洪を始めとする梅山(ばいざん)の七怪高明・高覚の兄弟が行く手を阻む。彼らはいずれも動物や植物の妖怪が変化したものであった。諸侯たちや鄭倫・楊任といった犠牲者を出しつつも、na.gif (129 バイト)ta.gif (116 バイト)sen.gif (125 バイト)の活躍により彼らを封神台に送りこんだのであった。

諸侯の軍勢はついに朝歌に入った。紂王はようやくかつての威容を取り戻して奮戦するも、もう全てが手遅れである。とうとう妲己たちと別れの言葉を交わし、摘星楼にこもって火をつけさせ、自殺したのだった。妲己たち三姉妹は朝歌からの逃亡を計るが、主人のka.gif (130 バイト)に捕らえられ、軍に引き渡されて処刑されてしまった。王朝はここに滅亡した。

武王は諸侯に薦められ、天子の位についた。王朝の開闢である。諸侯たちは手柄に応じて領土を与えられ、姜子牙の国の殿様に任じられた。そしてに向かう前に、姜子牙岐山封神の儀を執り行った。そこで黄飛虎は聖なる山である泰山の守り神、聞仲は雷神たちの頭領といったように、殷周革命の戦死者三百六十五名が神として任命されたのである。申公豹も生きながら神に任命された。李靖na.gif (129 バイト)ta.gif (116 バイト)三兄弟、sen.gif (125 バイト)雷震子韋護の七名はそれぞれの師匠のもとに戻って行ったが、後には彼らも神として祭られるようになった。

これにて物語の幕は閉じられるが、na.gif (129 バイト)ta.gif (116 バイト)sen.gif (125 バイト)『西遊記』にも登場し、孫悟空と激闘を繰り広げ、後には協力して戦う場面が見られる。


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