雛子ちゃんSS『節分』
日本には、節分と言う日がある
…もっとも、この中睦まじき兄妹にとっては、そんな事はどうでもよかったが(つーか普通誰も知らねぇよこんな事(笑))
「おにいたま〜今日は“せつぶん”だよ、ヒナといっしょに豆まきしよぉ」
僕が部屋で読書をしていると豆を持った雛子ちゃんが入ってきた
そういえば…今日は節分だったな
「ああ、もちろんいいよ」
さて、豆まきをするのはいいが…豆をまくのは雛子ちゃんの役だな
と言う事は、鬼の役は僕か
しかし、鬼、か…
そう言えば、以前学校で雛子ちゃんが鬼のお面を作ったって言ってたな
お面は…雛子ちゃんの部屋か
「それじゃあ、雛子ちゃんの部屋でやろうか」
「はーい、やったあ、おにいたまと豆まきだぁ〜」
無邪気に喜ぶ雛子ちゃんの頭を、僕はそっと撫でた
雛子ちゃんの部屋に入るなり、僕は雛子ちゃんの机の上にちょこんと置いてある鬼のお面をみつけた
何て言うか…不恰好だけど、それでも雛子ちゃんの『あたたかさ』が感じられるような、そんなお面だった
「それじゃあ、おにいたまが鬼の役をやるね」
そう言って鬼のお面を被る僕
「え…おにいたまおにさん…」
何故か、少し困惑顔の雛子ちゃん
しばらくして、ぱらぱらと豆をまき始めた
…でも
「ふくはうち〜ふくはうち〜」(ぱらぱら)
…あれ?
「ふくはうち〜ふくはうち〜」(ぱらぱら)
「あの〜雛子ちゃん、どうして「福は内」ばかりなの?「鬼は外」は?」
「え〜だっておにいたまは鬼さんじゃないもん…ヒナ、おにいたまとずっとずぅっといっしょにいたいし…おにいたまがおそといっちゃヒナやだもん…」
…えっ?
ううっ雛子〜お前は何て可愛いヤツなんだ〜
もちろん、僕もだよ、僕の大切な雛子…
僕は、雛子ちゃんをぎゅっと抱きしめた
「ふくはうち〜ふくはうち〜」(ぱらぱら)
「ふくはうち〜ふくはうち〜」(ぱらぱら)
こうして、僕と雛子ちゃんの2人で、奇妙な豆まきをしてました
…豆まきは、鬼を祓い福を呼ぶ行事か
でも、僕にとっての最大の幸福は、この雛子ちゃんの笑顔を見ていられることだな
僕の横で無邪気に豆をまく雛子ちゃんのまぶしいくらいの笑顔を見て、僕は心からそう思った
FIN
ちうわけで、約3ヶ月ぶりのSSです
いやー、相変わらずオレって文才無いね〜(笑)
ちなみに、このSSは2月3日にシスプリ公式BBSに書いた節分SSを書きなおしたものですにゅ