ペルチェ素子の温度制御

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1999年09月22日 1. 電源制御回路の製作
1999年09月22日 2. 温度制御回路の製作




電源制御回路の製作 1999/09/22

 ペルチェ素子を使用して冷却する場合、マシンの起動と同時に冷却開始では起動できません。予めペルチェ素子に電源を投入し、CPUの冷却を行なう必要があります。今回、この手順を自動化する回路を製作しました。
  

 今回、ペルチェ素子用に利用した電源です。今となっては使い道の無いAT電源です。テスト電源用として、時々使用しておりました。12V7.5A出力と貧弱ですが、とりあえず動作しています。ペルチェ素子用にコネクタを追加(写真左)と、ファンの交換を行なっています。ファンは、山洋製の低騒音タイプを使用。とても静かですが、風量は少ないです。
  

 制御回路です。ATX電源自作で紹介したSSR駆動回路を、ペルチェ用に作り直しました。マザーからのPS-ON信号、温度計からのアラーム信号、一次電源投入遅延タイマ回路をTTLにて構成しました。単にゲートとゲート組み合わせの記憶回路のみです。

PS-ON信号 マザーからの電源ON/OFF制御信号、自作ATX電源のON/OFF制御の基本信号です。
温度計、遅延タイマにより、ON禁止状態の時にこの信号が入力された場合、ON禁止状態が解除された時点で、ATX電源ONとなります。
温度計アラーム信号 設定温度に対し、指定範囲内である信号。一次電源投入後、制御温度に対し、指定範囲内である場合にこの信号はONします。
CPU負荷増加等で指定範囲外となった場合に電源が切れないよう、一旦ONした後は記憶されます。
記憶のリセットは電源OFFにて行なっています。
遅延タイマ 一次電源投入後、5秒間タイマ。一次電源投入直後、マザーやATX電源の種類によっては一瞬ONする過渡的な状態を回避します。
ペルチェ化した時点で、このタイマより冷却待ち時間の方が長いので、あまり意味がありません。




温度制御回路の製作 1999/09/22

 本来であれば、温度計部分を含めて自作したいところですが、すっかりサボり気味な私は市販品を使用する事にしました。今回は格安で入手出来ましたが、一般の方にはとてもお勧めできる価格ではありません。定価で換算すれば市販のキット等が数台は買えます(^^ゞ
   オムロン製 E5GN温度調節器と3線式白金測温抵抗体です。

 ペルチェ素子のON/OFFにはPowerMOS-FETの2SK2313を利用しました。オン抵抗が8ミリオーム、ドレイン電流60Aと大容量のものです。大容量ですが、200円前後と低価格です。放熱と配線を考慮して、ダクトに固定します。ペルチェ側に制御素子を取り付ける事で大容量の配線を引き回す事が不要となり、すっきりとします。
   PowerMOS-FETの固定

   完成です。写真では5度が設定温度です。

 一番手間な温度計関係を市販品としたので、非常に簡単に構成できました。設定値、現在地、動作状況等が常に確認でき、便利です。