Dual KENDON KR-1 <静音化編> 2002/03/06

1. Dual KENDON KR-1は爆音!?
 今回製作したDual KR-1にはマスター側に松下製80mm薄型ファン(FBA08T12H)、スレーブ側にSANYO製80mm高速ファン(SF8-3400)を使用しています。当然の事ですが、ファンは回転数が上がる程、騒音も大きくなります。ファン自体の騒音を抑える手法には以下の方法が一般的(簡単に出来かは別)と思います。
1.ファンの回転数を温度センサーにて必要最低の回転数制御を行う。
 最近、ATX電源にこの機能を搭載した製品が市販されていますね。CPU能力が必要能力を十分に満たしている現状、爆音OCより静音に人気が集まっている現状を反映した製品ですね。でも温度による制御はセンサーの設置や制御回路等、結構複雑に、と言うより面倒なのでボツ^^;
2.ファンを大型ファンにして回転数を下げる。
 80mm角ファンと同程度の風量を確保する場合、120mm角ファンであれば回転数を下げる事が出来ます。回転数が下がれば、当然騒音も低下するのでケースファンを大型ファンに交換する事は結構知られた手法ですね。でも、KR-1に120mm角ファンを固定する事はファンネルの製作等、かなりの板金加工技術が必要となります。当然、私には無いので、ボツ^^;
3.ケース等に防音加工を施す。
 番外編です(爆) 一部で流行っている防音シート等で音や振動を遮る事も静音化には非常に有効な方法です。でも、この方法は密閉が基本となってきますので、放熱に重点を置く私とは相反するので、当然ボツ。 でも、HDDやCD-ROMの振動による騒音対策は効果がありそうです。また、機会があったら試してみますね。
4.OverClockを止める。CPUをC3に変えてファンレスにする。
 番外編パート2です(爆) コメントは控えさせて頂きます ^^;
5.ファンの回転数を手動で調整する。又は不要時には止めてしまう。
 以前、可変電源キットを用いてファン回転数制御を行った事が有りますが、その応用版ですね^^; はっきり言って、非常に簡単な回路で実現できるので即採用!とします。常に限界OC環境で使用している訳では無いので、不要時はスレーブ側のファンを止めてもマスター側のKR-1だけで市販クーラー以上の能力を発揮してくれます。こんな事が出来るのも優れた性能を持ったKR-1のお陰ですね。

 さて、制御方法が決まりましたので、制御回路の設計に進みましょう。今回はキットは使わずに自作する事とします。やはり小型で自分の欲しい機能を実現させるには自作が一番です。




2. 制御回路を設計します
 まず、今回製作した回路を公開します。
特徴
出力電圧範囲 負荷接続状態で5〜10V程度です。
 レギュレータのドロップ電圧が多少気になりますが、バイパススイッチが有るので我慢しましょう^^;
出力電流 三端子レギュレータの仕様上は5V1Aです。
 でも、最大損失も最大動作温度も気にしていませんので定格電流を流すと間違いなく燃えます(爆)
 ファンの消費電流は非常に小さいので気にする事は無いでしょう。
切替スイッチ 12V直接印可、可変電源接続、ファン停止の3種が選択できる様にします。
 このスイッチは結構便利で気に入ってます。

使用部品
記号 品名 ・ 仕様
U1 三端子レギュレータ 今回はTA7805Sを使用
 絶縁パッケージを採用しましたが、非絶縁のTA7805でも構いません。
本来は05の名前から分かる様に、+5V電源レギュレータです。
同等品が多くのメーカーから販売されており、価格も150円程度とお値打ちでとても便利なパーツです。
C1、C2 電解コンデンサ 100MF25V
VR1 半固定抵抗 1kオーム
SW1 今回は3ノッチタイプ(ON-OFF-ON)を使用




3.組立て

1. 制御部を製作する
これが三端子レギュレータです。

 3本足の電源レギュレータ素子だから通称三端子レギュレータです。
こんな小さい物で目的の電圧が簡単に作れるなんて、便利ですね。
電子回路に興味をお持ちの方は皆知っている程の有名品ですね。
制御部の完成です。

 スケールの目盛りと比較すると分かりますが、結構小さく出来ました。
これだけで回転数制御が可能です。

2. Dual KR-1に取り付ける
スレーブ側KR-1の上部にある既存の固定穴を流用します。

 小さいのでネジ1本で十分固定できます。
完成です。

 小型で、必要な機能を装備した満足な仕上がりです^^;




4.使用感
 既に数社からファン回転数制御のパーツが市販されていますね。でも非常に高いので自作してみては如何でしょう? この程度の回路なら原発乗っ取りとは比較にならない程簡単に、安く出来ますよ。(総額400円程度かな)

 Dual KR-1を搭載した直後に製作し、やっとアップする事が出来ました。^^; OverClockが趣味だけど、テスト時以外の常用設定時にファンの音が気になる方にはお勧めです。何より、不要時にファンの電源を簡単に遮断する事が出来るのは非常に嬉しい機能です。小型ですので、スイッチやボリウムを5インチベイカバーに取り付けて、市販品の様な形状にする事も可能ですし、安いので多チャンネル構成にする事も容易だと思います。