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4 動物・植物


 いたち(おじいちゃんの子供のころ)
 家の周りに、よくいたちがいたよ。いたちはくさいおならをするとか、にわとりを殺す
とかいって、どちらかというときらわれものだった。
 しかし人間に会うと立ち止まって、じっとこちらの顔を見たりして、どこかにくめない
ところもあった。子供も、遊び相手みたいなところがあった。
 道を歩いている時、前をいたちが横切ると、右から左に走るのはよくて、左から右に走
るのはよくないという迷信があった。右から左へ走ると着物のふところに入る方向だから、
なにか得することがあるということだった。
 こんな他愛のないことを言っていて、本当にのんきな時代だった。

 青大将(おじいちゃんの子供のころ)
 へびは家のまわりにたくさんいたよ。今でも毎年夏になると、2メートルくらいの青大
将が1、2回顔を見せるよ。あの青大将は家のぬしだと言って、家でも追いまわしたりせ
ず大事にしているんだ。
 子供のころ、とり小屋でにわとりがさわぐので行ってみると、大きなへびが産卵箱にと
ぐろをまいていたことがよくあった。そんな時はしっぽをつかまえて捨ててくるか、蚊と
り線香のけむりをすわせると逃げて行ったよ。
 青大将がうらの柿の木に登って皮をぬいだあとに、長い皮がぶらさがさていたよ。
 古い家だったので、天井から青大将が顔を出して、舌をチロチロ出していたこともあっ
たよ。

 ハエ(おじいちゃんの子供のころ)
 ハエは今よりずっとたくさんいたし、家の中にも入ってきた。ハエはいやな生き物なの
で、あみ戸を立てれば入ってこないが、昔は自由に入ってきた。
 ハエを防ぐためにハエとり紙を広げてとまらせたり、ハエたたきでたたいたり、天井に
止まったハエはガラスパイプのハエとりで取った。
 ハエとり紙に猫がくっついて、大さわぎしたこともあった。
 にわとりや牛、ぶたなどのかちくを飼っていると、たくさん発生して大変だった。養け
い農家の家の天井がハエのふんで真っ黒になっていて、びっくりしたこともあった。
 そのわりには、人間が病気にかからなかったようだ。

 にわとり(おじいちゃんの子供のころ)
 大がかりの養けいをやっている家はなかったが、10羽、20羽くらい飼っている家は
大分あった。ほとんど自分のところで卵を食べたり、少しは人に売ったり、にわとりが死
ぬと肉を食べたりするのが目的だった。
 そのころ、肉を買って食べることはめったになく、お祭りか正月くらいだった。とり肉
でも、けっこうごちそうだったよ。
 にわとりは、ときどき野犬やいたちにおそわれることがあった。いたちは1羽だけ殺し
て血をすうと言われていたが、野犬がとり小屋をおそうと大変だった。かたっぱしに殺し
て飼っているとり全部がやられてしまうこともあった。
 農家では、庭先にチャボを飼っている家もあったね。

 まきの木(おじいちゃんが子供のころ)
 生けがきにまきの木を植えた家が多かったよ。まきの木は、年中青々した細長い葉をつ
けて立派だし、風よけにもなるので、この地方だけでなく、よそでもよく見かける木だね。
 まきの木はまた、防火に役立つんだそうだよ。火事がおきた時、となりの家との間にま
きの木が植えてあると、燃え移らないで、火がそこで止まることがよくあるそうだよ。
 おじいちゃんの記憶にあるまきの木は、秋11月ごろ赤い実がなることだね。ちょうど
細長いだるまさんみたいで、先の玉が赤く、元の玉が緑色になるんだね。この赤い玉が食
べられるんで、よく切って食べたよ。


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