花まつり(おじいちゃんの子供のころ) 毎年4月8日に花まつりというお寺の行事があったよ。4月8日はインドのおしゃか様 というえらい人が生まれた日で、この日をおまつりにしたんだよ。 宇頭では薬王寺で花まつりがあった。おしゃか様の姿をした小さな青銅のほとけ様をれ んげの花でかざり、頭からあま茶をかけてお参りするならわしがあたんだよ。 おしゃか様は生まれた時に「天上天下ゆいがぞくそん」と言われた大変えらい人らしい。 おじいちゃんたちは薬王寺へ出かけ、ほとけ様の頭にお茶をかけてから、お寺であま茶 を何ばいもよばれてきたんだよ。 お天王さん(おじいちゃんの子供のころ) 毎年神明社の行事にお天王さんという祭りがあったよ。今でもよその地方ではやってい る所があるそうだ。 お天王さんは農家が行うもので、田んぼの稲が病気にかかったり、虫がつかず豊作であ りますようにと願う行事だったと覚えているよ。 この日は小さなみこしと何本かののぼりがとなり村から回ってくる。宇頭のお祭りは当 日農家の人20人くらいがみこしをかつぎ、のぼりを立てて村内の田のあぜ道を1周して くる。その日の午後か翌朝みこしは次の村へ送られる。 今はなくなってしまい、大変残念だと思っているよ。 麦きつね(おじいちゃんの子供のころ) 毎年5月ごろに麦のほが出ると、麦きつねが出て人を化かすと大人たちが言っていたよ。 本当に麦きつねがいたかっていうとこれは多分うそだと思うよ。 子供たちが夕方うす暗くなっても遊んでいてなかなか家に帰ってこないので、こういう うそを親が言っておどかしたんだと思うよ。だけど子供は親の言うことを信用するね。 夕方うす暗くなってから麦畑の横を通る時なんか、本当にこわかったよ。それもそのは ずで、そのころは街頭などは全くなくて暗い夜道を歩く時は、下を見るよりは上を見て道 路に出た木の枝のはしを見たり、屋根ののき伝いに歩くようなことをしていたんだからね。 米どろぼう(おじいちゃんの子供のころ) ときどき農家の米ぐらにどろぼうが入って米をとっていったよ。今のどろぼうはお米よ りもお金や宝石をねらうようだけれど、昔は食料が不足していたので米をとっていくのが 多かった。 家に入ったどろぼうは米を何十キロかふくろに入れて物置から持ち出し、駅へ向けかつ いでいって一番電車で名古屋の方へにげて行ったらしい。 どうして分かったかというと、ふくろに穴があいていて、米つぶが家から駅までこぼれ ていたからだ。これをたどって行けばどろぼうのいどころが分かると思ったけど、がっか りだった。電車でにげられてはさがしようもないからね。 |
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