以下はコールバックシステムについての抜粋記事です。参考にして下さい。
50社,数百億円市場に
日本から海外に電話をかける際に,通信料金が安い米国発信にする「コールバック(折り返し電話)」と呼ばれる方式がそれだ。日本からKDD(国際電信電話)などの国際通信業者の回線を利用して,米国の格安通信業者にアクセスする。呼び出し音を数回ならして電話を切ると,数秒後に米国から折り返しの電話がかかってくる。これを受けて,電話したい番号をかける。最初に呼び出し音をならす行為には,通話料はかからないので,純粋に米国発信の料金だけを支払えばいい。
通信料金は概ね3割から6割安いため,契約者が急増している。日本国内に交換機を設置している業者を使えば,電話を切って待つ必要もない。コールバックを手掛ける業者は国内で50社近くあると言われており,市場は数百億円,国際通話の10%近くを占めるという予測もある。
郵政省も規制に動けず
KDDはここ数年で急激な値下げを行っている。現在は米国向けが3分間480円となっており,さらに3割程度値下げするという予測もある。だが,コールバック業者は価格競争力について絶対の自信を持っている。公専公接続が解禁されれば,来年は5割近い値下げが可能という業者もいる。
新興業者の台頭に郵政省は規制をかける気配はない。国際通信3社から行政指導の要望が出されているが,事実上動けないのが現状だ。それには,94年,米国でAT&Tの「コールバック差し止め」請求を,米連邦通信委員会が却下したことも影響している。規制をかければ,WTO(世界貿易機関)に提訴される危険もある。 あるコールバック業者は「我々は,表向きは“規制緩和・競争”を唱えているが,内心は逆。このままNTTが改革されないなら,長距離通信もコールバックの方が安くなる日が来るかもしれない」と話す。通信改革が足踏みする中,ユーザーのNTT,KDD離れが加速する。