三ヶ根山のエンジンの謎解きに関して、長々と記述しました。直接関係のないような記述も多く、難解なHPとなりました。
下記に、B-29のエンジン、三菱のA18Aエンジンと三ヶ根山のエンジン(殉国七士廟)の主要な調査項目をまとめました。
エンジン調査項目・比較一覧表
調査項目
| R-3350 (B-29のエンジン) |
A18A (飛龍のエンジン) |
三ヶ根山のエンジン (殉国七士廟) |
@基本構造
| 空冷複列星型18気筒 |
← |
← |
A気筒内径 X 行程(mm)
| 155.6 X 160.2 |
150 X 170 |
← |
B総排気量(リッター)
| 54,86 |
54.1 |
← |
Cエンジン外径(mm)
| 1,413 |
1,370 |
← |
D吸・排気バルブ駆動
| 前後カムプレート前後駆動 |
前カムプレート前駆動 |
← |
Eシリンダー構造
| 冷却フィン・アルミ鋳ぐるみ |
冷却フィンCr,Mo鋼 シリンダーと一体切削 |
← |
F減速ギア構造
| 鍛造製ワンピース |
ツーピースボルト結合 |
← |
Gクランクケース材質
| 鋳鉄 |
アルミ合金 |
← |
1)三菱A18Aとする理由
三ヶ根山のエンジン(殉国七士廟)は、比較表に示す通り、気筒内径・行程他全項目が三菱A18Aに合致した。
2)B-29エンジンでない理由
三ヶ根山のエンジン(殉国七士廟)は、比較表に示す通り、空冷複列星型18気筒のエンジンであるが、
気筒内径・行程他7項目がライト社のR-3350エンジンと異なる。
3)零戦のエンジンでない理由
中島製”栄”と 三菱製”瑞星”の比較表
調査項目
| 栄 (零戦のエンジン) |
瑞星 (三菱A14) |
三ヶ根山のエンジン (比島観音) |
@基本構造
| 空冷複列星型14気筒 |
← |
← |
A気筒内径 X 行程(mm)
| 130 X 150 |
140 X 130 |
← |
B総排気量(リッター)
| 27.9 |
28.02 |
← |
Cエンジン外径(mm)
| 1,150 |
1,118 |
← |
D吸・排気バルブ駆動
| 前後カムプレート前後駆動 |
前カムプレート前駆動 |
← |
Eクランクケース材質
| アルミ合金 |
← |
← |
比島観音展示エンジンは、第5章の調査結果より、
三菱発動機製の空冷複列星型14気筒の”瑞星”であることが明らかになった。
その理由は、気筒内径 X 行程が、140mmx130mmで、三菱の”瑞星”エンジンと同じです。
このサイズの空冷複列星型14気筒のエンジンは”瑞星”の他になく、零戦には搭載していない。
また、シリンダー冷却フィンの構造も鉄製の切削加工で三菱の独自技術が確認された。
「瑞星」を搭載した機体は、100式司令部偵察機(新司偵)や2式複座戦闘機(屠龍)などである。