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展  示  室

 季節のきのこ

 1月  エノキタケ
エノキタケ  きのこは秋の物だと思われがちですが、真冬でも発生するきのこがあります。エノキタケは晩秋から春にかけて、広葉樹の枯木に発生するきのこで、雪が降っても朽ちず成長します。栽培して売られているエノキタケは白くもやしのような形態をしていますが、野生のものはより美味しく茶色です。
 2月  マツカサキノコモドキ
マツカサキノコモドキ  今年の冬は例年より寒く雪が多く降りました。ほとんどきのこの見つからない厳冬期に見られる数少ないきのこの一つに埋まったマツボックリから発生するマツカサキノコモドキがあります。地中部の柄は細毛を密集させた根のようになっていてマツカサにつながっています。
 3月  キツネタケの仲間
キツネタケの仲間  冬の厳しい寒さが緩み、春めいてくると共に草木の芽が膨らみはじめます。きのこが発生するのにはまだ寒く、見かけることは少ないのですが、よく探せば何種類かのきのこを見つけることができます。枯草によって保温されたのでしょうか、ツクシの隣に生えた小さなきのこを見つけました。
 4月  モリノカレバタケの仲間
モリノカレバタケの仲間  日が長くなると共に寒さが緩み、平地ではサクラをはじめいろいろな花が咲き始める頃、山地でも木の芽がほころんできます。褐色の木立に淡い緑の新芽がみずみずしく気持ちのよい季節です。これから新緑、青葉と日に日に緑が濃くなります。まだ草が生える前の林床にきれいなきのこが生えていました。
 5月  クロコタマゴテングタケ
クロコタマゴテングタケ  雑木林では何種類もの野鳥のさえずりが聞こえ、目にする昆虫の数も多くなり、野山を散策するのによい季節になりました。中型のきのこが生え始めるのもこの頃からです。このきのこは普通は夏から秋にかけて発生する毒きのこです。食べられるきのこ以外にも自然観察の対象として楽しみましょう。
 6月  テングツルタケ
テングツルタケ  気温が高くなり、雨が多くなる梅雨時にはきのこがたくさん発生します。きのこは秋のものと思われがちですが、長雨の続いた後の道端や草地、芝生などにはよく発生しています。写真のきのこは公園で見つけました。テングタケの仲間で、柄がツルの首のように長いことからのネーミングです。
 7月  タマゴタケ
タマゴタケ  例年、6月半ばからテングタケの仲間やイグチ類など中型から大型のきのこがたくさん発生し出します。卵状の白い袋から傘を覗かせる幼菌時の真紅の傘は宝石のようにきれいです。毒きのこを多く含むテングタケ科のきのこで、毒々しい赤色をしていますが、おいしく食べられるきのこです。
 8月  クロトマヤタケ
クロトマヤタケ  食用として人気の高いきのこが多く発生するのは秋なので、きのこは秋のものと思われがちですが、湿気と気温の高い夏はきのこの発生には好条件で、数多くのきのこが発生しています。大型のきのこは目立ちますが、小型で地味な色合いのきのこは関心を持って探さないとなかなか目に止まりません。
 9月  テングタケ
テングタケ  真夏の暑さも少し和らぎ、朝夕は過ごしやすくなってくると共に、実りの秋がやってきます。きのこも山の幸として利用されていますが、有毒なきのこも数多く、野生きのこを食べるのは細心の注意が必要です。テングタケも毒きのこで、山里の雑木林で普通に発生します。
 10月  コブアセタケ
コブアセタケ  きのこ狩りのシーズンとなり、山路できのこ好きな人達とよく出会うようになりました。毒きのこによる中毒はもちろんのこと、ハチやマムシ、ウルシなどの動植物にも注意して、きのこ狩りを楽しんでください。夕暮れに池の近くの裸地に生えているコブアセタケを見つけました。
 11月  シロキクラゲ
シロキクラゲ  秋の深まりとともに山里の雑木の紅葉も始まり、シモコシやシモフリシメジなど晩秋のきのこも発生し始めました。シロキクラゲはキクラゲの仲間で、秋から春にかけて発生します。名のとおり純白で食用となりますが、キクラゲのように群生することはあまりありません。
 12月  ベニタケの仲間
シロキクラゲ  紅葉を楽んだ季節が過ぎると、木々は葉を落とし、林は明るくなる一方、冷たい木枯らしが吹き抜けます。初冬の雑木林では、ハラタケ目のきのこはめっきり少なくなり、サルノコシカケが目に付くようになります。この時期には珍しく、ベニタケ属のきのこを見つけました。