公開:大映 1967/12/02
監督:田中徳三
音楽:渡辺岳夫
製作:大映東京内容:服役してきた五郎(田宮二郎)は、所属していた組の建て直しを図る。親分の息子(川津祐介)は法律家になって、正義を貫こうとしていた。やがて別の組織との抗争が始まり、身内が次々と傷つき倒れていく。田宮二郎はスマートなのに貫禄十分で、男の魅力輝く正当派任侠活劇。他に梓英子、浜田ゆう子、金子信雄。
大映マークティンパニのソロ演奏のみによる短い曲。迫力のダイナミクスが任侠バトルを予感させる。メロディーというほどではなく、A音とE音ばかりで構成。しかしA音→E音(主音Aの五度上)の動きで区切ると荒々しいものだ。
メインタイトル引き続きAマイナーで、任侠&哀愁のメインタイトル。リズムは映画「秘録おんな牢」(翌'68年)のメインタイトルと共通している。ここではテーマ演奏楽器を記す。
最初はマンドリンと思われるが、バイオリンでも「ちりちり」した音が出せるらしい。この頃よくわからなくなってきました。「ちりちり」音はとても重要な音色なので、この際ハッキリさせておきたいです。できれば実際にマンドリンまたは弦楽器を演奏される方にご教授いただきたいです。
次はトランペットのソロによるテーマ演奏で、哀愁ロマンに陶酔です。人物のセリフがかぶさる部分では、フルートソロ(テーマに非ず)がでしゃばらずに奥ゆかしい。再び「ちりちり」テーマで曲を終わる。
テーマアレンジ●メインタイトルはAマイナーなのに、テーマアレンジは何故かCマイナー。
●テーマと同じリズムにのったを用いたフルートソロのBGM〜「ちりちり」のテーマアレンジへ。
●トランペットのソロはAマイナー。
●ラストシーンからエンディングに向かっては、再び「ちりちり」Aマイナー。
悪のテーマ悪のテーマはGマイナー一発。トランペットにはミュートを付けている。「ひゃらっ」とフルートが加わる。たんたんとしたリズム&一発コードが延々と続き、悪のビジネスを重ねるシークエンスのBGMになっている。
任侠と人情劇伴主にフルートが担当する。フルートは決してでしゃばらず、親分子分、あるいは親娘の傍らでお控えなすっているようだ。
五郎(クールな田宮!)が憤る場面では、憤怒の念をブラスが増幅している。その他に、バーの音楽があるが、これはオリジナルか既成曲か不明。
VHS MFH-1304「残侠の杯」